【17型コラーゲン】に関連するとされる
化粧品・健康食品等への注意喚起について

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野(前任地)は、平成28年2月5日に本学ウェブサイトおよび各種報道を通じて「加齢による薄毛・脱毛と17型コラーゲンの関連」についての研究成果を発表し、医学研究者、医療従事者のみならず毛髪の健康に関心をもつ多くの方々から反響をいただきました。
しかしながら、残念なことに、一部の化粧品・健康食品に関して、本学や当研究室の研究成果を不当な仕方で引用して消費者の皆さまに誤解を与えるような販売促進活動がなされております。
研究成果を発表した研究室の責任として、皆さまには下記の点をご理解いただきたいと思います。

「17型コラーゲン」は通常のコラーゲンとは性質が異なるものです。当研究室が確認した限り、市販されている製品の中に「17型コラーゲン」を配合しているものはなく、当研究室では17型以外のコラーゲンもしくは「17型コラーゲン様」の物質については薄毛・脱毛に対する効果を確認しておりません。

「17型コラーゲン」は、一般的に知られるコラーゲンとは異なる膜貫通性コラーゲンであり、毛包細胞表面に結合してのみ効果を発揮するものです。当研究室の研究成果は、17型コラーゲンを頭皮に直接塗布したり、食品として摂取したりすることによって、薄毛・脱毛に対して改善の効果を与えることをうたったものではありません。

参考:日テレNEWS24 気になる悩みに朗報?薄毛の仕組み解明(2016年2月5日 20:02)

東京大学医科学研究所 老化再生生物学分野では、皆さまからの期待にお応えできるように、この基礎研究を製品化するための努力を日夜続けております。今後の研究成果については、引き続き本学ウェブサイト・プレスリリース等を通じてお知らせいたします。皆さまの変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

東京大学医科学研究所
老化再生生物学分野
教授 西村栄美

プレスリリース

「高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明」【森永浩伸・西村栄美】

― 幹細胞における炎症・再生シグナルの異常が毛包の萎縮を引き起こす ―

DNAに傷が入った老化幹細胞を皮膚から選択的に排除する現象を発見【加藤智起・西村栄美】

― 表皮が持つ自律的な品質管理機構がその若さを保つ ―

幹細胞分裂タイプの違いが毛包の再生・老化を決定づけることを発見【松村寛行・西村栄美】

― 毛髪再生を含む上皮の再生促進・抗老化に期待 ―

「歳をとると毛が薄くなる仕組みを解明」【西村栄美 教授】

― 毛をつくる幹細胞が表皮となって落屑するため毛包がミニチュア化する ―

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野ウェブページ

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