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公募班員紹介

クロマチンリモデリングによる幹細胞老化と癌の制御機構の解明

西山 正章(九州大学 生体防御医学研究所 助教)
西山 正章
西山 正章
組織幹細胞の老化は神経変性疾患や癌などの加齢関連疾患の発症に深く関与している。最近の知見では、老化した組織幹細胞の機能を回復させることによって、これらの疾患を治療できる可能性が示唆されている。われわれは、クロマチンリモデリング因子CHD8が癌抑制タンパク質p53に結合し、アポトーシスを抑制することによって発生期の器官形成に重要な役割を果たしていることを発見した。その後の研究で、CHD8はp53誘導性のアポトーシスだけでなく細胞老化も抑制し、強力な発癌活性を示すことが明らかになった。また最近、自閉症スペクトラム障害の最も有力な原因候補遺伝子としてこのCHD8が同定され、世界中で大きな反響を呼んでいる。そこで、本研究では「組織幹細胞の若返りによる疾患治療」を目指し、CHD8による幹細胞老化制御メカニズムの全貌を解明すると共に、神経変性疾患や癌などの加齢関連疾患にこのシステムがどのように関与しているのかを明らかにする。

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