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公募班員紹介

腎臓の修復を担う幹細胞とそのニッチ環境の加齢に伴う変容の解明

柳田 素子(京都大学 医学系研 教授)
柳田 素子
柳田 素子
高齢者は腎障害に罹患しやすく回復しにくいが、そのメカニズムには不明な点が多い。腎障害では主としてネフロンの一部である近位尿細管が障害され、若齢個体では増殖をへて修復されるが、その修復を担う細胞に関する議論は混迷を極めている。
我々は以前、近位尿細管内の細胞が修復を担うことを証明したが、幹・前駆細胞集団の同定にはいたらなかった。一方、尿細管を取り巻く線維芽細胞は尿細管と密接なクロストークがあり、尿細管障害を感知して線維化を引き起こすmyofibroblastへと形質転換すること、高齢個体では三次リンパ組織形成を誘導し、炎症が遷延することで修復が遅延することを見出した。
本研究課題では、尿細管修復を担う幹・前駆細胞集団を同定するとともに、それを取り巻く線維芽細胞のニッチ環境としての機能を検証し、加齢による変容が修復力に与える影響を明らかにすることをめざす。

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http://www.kidney.kuhp.kyoto-u.ac.jp