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公募班員紹介

肝蔵をモデルとした成熟上皮細胞の分化可塑性の加齢による変化の解析

谷水 直樹(札幌医科大学 医学部 准教授)
谷水 直樹
谷水 直樹
成体の臓器では、組織幹細胞が持続的に構成細胞を供給することで、恒常性が維持されていると考えられてきました。一方で、成熟上皮細胞の持つ分化可塑性に依存した恒常性維持機構の存在も明らかにされています。したがって、加齢による組織・臓器の細胞供給能力の低下を理解するためには、組織幹細胞の老化に加えて、成熟上皮細胞の分化可塑性の変化も考慮する必要があると考えられます。
肝臓は再生能力の高い臓器であり、一過性に障害を受けると、残存する健常な成熟肝細胞が分裂して組織を再生します。一方、持続的な肝障害に晒された場合、成熟肝細胞の一部が分化可塑性を発揮した結果、脱分化して前駆細胞となり、組織再生に寄与している可能性が示されています。
本研究では、肝臓をモデルとし、加齢に伴う上皮細胞の分化可塑性の変化の要因を分子レベルで明らかにするとともに、加齢あるいは慢性障害によって失われた組織再生能を賦活化する方法を見出すことも目指します。

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