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計画班員紹介

ステムセルエイジングに伴う発がんメカニズムの数理的解明

代表者:波江野 洋(九州大学 理学研究院生物科学部門)
波江野 洋
波江野 洋
生命機能を維持するために幹細胞システムは機能細胞を常に一定数供給している。本研究では、組織毎に異なる多様な幹細胞システムの階層構造を細胞単位で、数理モデルによって表現する。その上で自己複製/分化率や分裂/死亡率の変化などによって表されるステムセルエイジングの効果がどのように組織の構造を崩し、臓器・組織の機能低下や疾患発症につながるかを、数理モデルと確率シミュレーションによって網羅的に調べる。この結果から、ステムセルエイジングを起因とした臓器・組織のエイジングと疾患発症に関する普遍的な原理の抽出を目指す。さらに、得られた数理的予測に関して、本領域内研究者との連携のもと、造血組織や腸陰窩といった特定の組織を対象に、幹細胞とニッチ細胞の分子間相互作用、代謝解析、遺伝子発現解析などを組み込んだ数理モデルを構築し、疾患発症の実験・臨床データとの比較・検討を行う。以上の解析を通して、加齢関連疾患の発症機序の解明や治療・予防に有用な指標を提示しうる数理学的アプローチを確立する。

研究室ホームページ

http://bio-math10.biology.kyushu-u.ac.jp/