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進行中の臨床試験

ウイルス療法の臨床開発

ウイルス療法は、増殖するウイルスを使ってがんを治す画期的な治療法です。本臨床研究で用いるG47Δウイルスは、がん細胞だけを殺して正常細胞は傷つけないように工夫されています。つまり、ウイルス遺伝子を組み換えることによってウイルスの作用をコントロールし、がん細胞内だけでよく増えるようにすることで直接的にがん細胞を破壊します。加えて、G47Δウイルスが感染したがん細胞は免疫を担う細胞(リンパ球)に発見されやすくもなっており、より強力な抗腫瘍免疫効果(がんワクチン効果)が期待できます。

G47Δについて

G47Δは、第三世代遺伝子組換え単純ヘルペスI型ウイルスで、米国で臨床試験に用いられた第二世代遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスI型のG207を改良したものです。単純ヘルペスI型ウイルスのゲノムの大きさは、約152kbで、80個以上のウイルス遺伝子を持っています。G207が二つのウイルス遺伝子を操作したものであるのに対し、G47Δは3つの遺伝子を操作した三重変異を有するヘルペスウイルスであり、G207よりもさらに安全性と治療効果を高めてあります。単純ヘルペスウイルスI型がヘルペス脳炎を起こす遺伝子はすでに解明されており、G47Δはその遺伝子をあらかじめ除去してありますから正常組織を傷害することはありません。すなわち、G47Δは正常細胞では増えず、感染した腫瘍細胞内だけで増えるため腫瘍細胞だけが破壊されます。万一G47Δが増え過ぎたとしてもヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬がありますから、いつでも治療を中断することができ、安全性に優れています。

ヒト膠芽腫細胞の場合
ウイルス投与前   ウイルス投与後(36時間経過)


単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)について

通常の単純ヘルペスI型ウイルスは、皮膚や粘膜に接触することで感染し、そこで増えて細胞を壊して細胞外に移動し、隣の細胞へ感染を繰り返していきます。そして、口唇に水疱ができたり、ごくまれに脳炎(ヘルペス脳炎)を起こしたりします。また、単純ヘルペスI型ウイルスは増殖しながら神経に沿っても移動していき、感覚神経節(しばしば三叉神経節)に入り込んでその中でじっとしています(潜伏感染)。この潜伏感染の状態ではウイルスは増えもせず、他のヒトへ感染することもありませんが、免疫力が低下するなどすると、この潜伏感染の状態からウイルスが再活性化して口唇に水疱がまたできたりします。

現在進行中の治験

  1. 膠芽腫患者を対象とした増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスⅠ型の第II相臨床試験

現在進行中の臨床研究

  1. 進行性嗅神経芽細胞腫患者に対する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスG47Δを用いたウイルス療法の臨床研究

被験者登録を終了した臨床研究

  1. 進行性膠芽腫患者に対する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスG47Δを用いたウイルス療法の臨床研究
  2. ホルモン治療抵抗性再燃前立腺癌患者に対する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルスG47Δを用いたウイルス療法の臨床研究

【本臨床研究に関する問い合わせ先】
東京大学医科学研究所附属病院 
TR・治験センター
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/tr/
TEL 03-5449-5462 (平日9:00〜17:00)
メールアドレス dctsm@ims.u-tokyo.ac.jp

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