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津本浩平教授、日本学術振興会賞を受賞

津本浩平教授、日本学術振興会賞を受賞

2012年1月20日
 

本賞は、将来の学術研究のリーダーとして、後のノーベル賞候補者となるようなフレッシュな研究者をいち早く顕彰することにより、今後の研究にチャンスを与えブレークスルーを促そうとするものです。
選考は、世界トップレベルの研究者である江崎玲於奈先生、野依良治先生などにより構成される審査会で厳正な審査が行われ、受賞者が決定されました。

授賞の対象となった研究業績:「基礎科学から産業展開を目指すタンパク質相互作用の精密解析」(Dissection of Protein Interactions for Innovations)
津本浩平氏は、酵素・タンパク質の結晶解析を含む基礎的な物理化学的解析から、タンパク質合成過程の技術向上に直接関わる、革新的なタンパク質立体構造の安定化技術を開発し、タンパク質工学分野に大きく貢献する研究成果をあげている。
同氏は、抗体タンパク質を中心とし、結晶構造解析と熱力学的解析を駆使して、抗体・抗原反応の精密な解析を行い、抗体・抗原分子認識における特異性の解釈について新たな科学的領域を築きあげている。加えて、酵素やタンパク質の合成過程において、非常に重要な問題となるタンパク質のアモルファス集合体・不溶体の生成に対して、アミノ酸添加物により普遍的にこれを抑制できる全く新しい概念に基づいた工業的に利用可能な方法を開発し、創薬や材料分野でのタンパク質の適用範囲を大きく広げる研究を展開している。
津本氏の業績は、タンパク質の立体構造に基づく分子認識化学の基礎的原理の解明からタンパク質製造の技術革新に貢献する応用的研究まで幅広いものであり、タンパク質工学分野を大きく発展させることが期待される。

日本学術振興会賞Webサイト