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今井浩三病院長、平成23年度北海道科学技術賞を受賞

今井浩三病院長、平成23年度北海道科学技術賞を受賞

2012年2月24日
 

「抗体と免疫細胞による癌の先端医療開発」

今井浩三氏は、NIH博士研究員として留学して以来、一貫して癌細胞上の分子に対するモノクローナル抗体を作製し、約30年にわたり臨床応用を目指して研究を進めて来た。
その結果、抗体と抗がん剤結合物の新しい薬剤の開発に貢献し、悪性黒色腫に対する抗体に同位元素を標識して体内診断薬を開発し、昭和58年に日本で最初に癌患者に使用した。
昭和60年、英国ケンブリッジ大学MRC研究所において、免疫細胞と癌細胞に反応する二重特異性抗体の作製に世界で最初に成功し、最近は肝癌細胞に対する二重特異性抗体の作製にも成功し、これらの抗体は、副作用が出ないようにヒト型抗体として大量生産に入っており、特許も取得している。
さらに消化器癌に対する高い親和性を有する抗体を作製し、この抗原分子が免疫細胞を難治性の癌局所に運ぶという方法の開発につながり、また、癌細胞をアポトーシスに導く抗体の樹立に成功し、難治性の消化器癌治療に応用するべく、特許を取得した。
また、本研究の成果として、新しい先端医療を切り開くことに貢献し、特に昭和58年に、わが国で初めての抗体を使用した体内診断に成功し、その後の白血病等の抗体治療の嚆矢となった。
また、現在でも完治が極めて困難な胆道癌、特に北海道に多い膵臓癌、肝癌等の最先端治療を目指し、免疫系細胞を癌局所に集める方策に成功している。
今後北海道において「抗体製造工場」により大量に作製され、治験に入ることにより、北海道産業、北海道民生活の向上に著しい貢献が期待できる。特に北海道でも、全死亡の約4割を占める癌に罹患する患者の「生活の質」を高めることに著しく貢献する。
北海道Webサイトより