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医科研 国際共同利用・共同研究拠点主催「2020年度オンライン英語セミナーシリーズ」が開催されました

12月4日、11、18日の3日間にわたり、東京大学医科学研究所 国際共同利用・共同研究拠点主催の「2020年度オンライン英語セミナーシリーズ」が開催されました。

国際共同利用・共同研究拠点とは、理学、工学、医学、生物学、人文・社会学の分野において国際研究をリードする研究機関として文部科学省から認定された国際研究拠点のこと。医科研は認定機関の一つとして、感染症や免疫機構、がん、ゲノム医学、幹細胞再生医療、遺伝子治療などの分野で、国際科学研究のプレゼンス向上を目指しています。

東京大学医科学研究所 国際共同利用・共同研究拠点のオンライン英語セミナーシリーズは、同拠点の採択研究に参画する大学院生や若手研究者が自身の研究を海外に魅力的に発信していくことを目的に、科学英語のスペシャリストである静岡県立大学准教授のフィリップ・ホーク(Philip Hawke)先生を講師にお招きし、今年初めて開始されました。
 
静岡県立大学の
フィリップ・ホーク准教授

初日の4日は、海外の学会で効果的に自らの科学研究をアピールするための話し方について学びました。ホーク先生は、日本の科学者たちの英語プレゼンテーションが海外の聴衆に伝わりにくいことをあげ、複雑に説明しようとせずシンプルに重要点に絞って伝えるようにすること、英語特有のリズミカルな抑揚を意識すること、質疑応答の際の的確な会話表現を覚えることなど、多角的な視点からの英語コミュニケーション法を伝えました。

2回目となる11日は、科学論文を書くための基本がテーマでした。科学論文を書くためには時制や連語、冠詞などを適切に使いこなす必要がありますが、受講者から難しいとの指摘が相次いだのは、「a(an)」「the」などの冠詞の使い方。ホーク先生はクイズで出題するなどのユニークな方法で、それらの見分け方のコツを伝えました。

 

オンライン英語セミナーシリーズには多くの参加者が集まり、英語プレゼンテーションを魅力的にするための方法を学びました。

最終回の18日は60人以上の参加者が集まり、「戦略的なプレゼンテーション」のコツを学びました。

ホーク先生は、プレゼンテーションで最も大切なことは「一番の伝えたいことはポイントが伝わるようにすること」と指摘し、そのために主語、タイトル、ストーリー、スライドのデザインに工夫することの必要性を伝えました。

セミナーは各回ともに、3人程度の小グループに分かれ、互いにコミュニケーションを取りながらの実践形式で行われました。セミナーには、英語を母国語としない外国人の大学院生も参加しました。国籍を問わない若手研究者たちが、英語を使いながら積極的に交流している姿が印象的でした。
 

東京大学医科学研究所の岩間厚志教授

また科学表現を調べたいときに有益なインターネット上の辞書、論文、スピーチに関するサイトなどが紹介されました。修了後には参加者から「海外学会で発表するために努力を続けようと思いました」等の感想が寄せられました。

東京大学医科学研究所 国際共同利用・共同研究拠点の責任者である岩間厚志教授は、「英語発信のコツを学べる大変有意義なセッションでした。来年は対面で開催できることを望みます」と、セミナーを締め括りました。