IMSUT NY Seminar 2025開催報告
医科研主催の「IMSUT NY Seminar 2025」が3 月21日、米国ニューヨーク(NY)にある東京大学NYオフィスで開催されました。 テーマは「最先端の医科学-基礎研究から臨床応用まで-(Cutting-edge medical science-from basic research to clinical applications)」。平日ではありましたが、今回は夕方からの開催ということもあり、在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等から例年にも増して多数の方々にご参加いただきました。
シリーズ3回目となるIMSUT NY Seminar2025は、中西真所長の開会の辞で始まりました。3セッションからなる本セミナーは、まずRNA制御学分野の稲田利文教授から、mRNAの異常翻訳の実態である衝突リボソームを解消する品質管理の分子機構と生理機能について講演があり、次にコールドスプリングハーバー研究所の古川浩康教授から、NMDA型グルタミン酸受容体(NMDAR)に対する新しい抗体による機能制御に関する研究についての発表がありました。続くセッションでは幹細胞分子医学分野の岩間厚志教授から、骨髄ニッチの操作による造血再生の促進についての発表がされた後、コロンビア大学のEmmanuelle PASSEGUÈ教授からは、生物の一生における適応反応が、加齢に伴う造血幹細胞の機能低下につながるメカニズムについて講演されました。最後のセッションでは、再生医学分野の谷口英樹教授から、ヒトiPS細胞を用いた肝疾患に対する革新的再生療法の開発について、その目的や臨床の現状を含め講演がありました。最後に、トマス・ジェファーソン大学の佐藤隆美教授が、ブドウ膜悪性黒色腫に対する治療法の新たな取組について講演を行いました。
いずれの内容も参加者にとって興味深い内容だったようで、質疑応答時間が不足するほど、活発なディスカッションが交わされました。最後に稲田教授から閉会のお言葉をいただき、セミナーは盛会のうちに終了しました。 セミナー終了後に開催したPost-seminar discussionでは、演者間や演者と聴衆の間で、さらに活発な意見交換や交流が行われ、将来的な研究交流も期待できる、今後に繋がるセミナーとなりました。
セミナー動画は近日中に公開予定です。(準備中)
ポスター 中西所長による挨拶
稲田教授による講演 古川教授による講演
岩間教授による講演 Prof. Passeguéによる講演
谷口教授による講演 佐藤教授による講演
関係者による集合写真
IMSUT NY Seminar 2024開催報告
医科研主催の「IMSUT NY Seminar 2024」が3 月21日、米国ニューヨーク(NY)にある東京大学NYオフィスで開催されました。 テーマは「医科学研究の最先端と広がる臨床応用(Genomics: From Disease to Healthcare)」。平日の開催ではありましたが、在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等から多数の方々が参加しました。昨年から始まり、今回がシリーズ2回目となるIMSUT NY Seminar2024は、中西真所長のビデオメッセージで始まり、セミナー前半は、まず柴田龍弘教授による講演、ニューヨークゲノムセンターのNicolas Robine博士の、世界中のがん発症頻度の違いを決定する要因の解明に向けた研究についての講演が行われました。続いてMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのMarc Ladanyi博士による臨床がんゲノミクスについての講演がありました。
コーヒーブレイクを挟んだ後半では、熊坂夏彦教授による講演があり、続いてマウントサイナイ医科大学の三戸芳子博士により講演が行われました。最後に、井元清哉教授が、近年疾患との関連で注目されている、腸内細菌と疾患やその未病段階との関連に関する研究と今後の展望について講演を行いました。
司会と進行は、前回に引き続きNYオフィス副理事長の桑間雄一郎先生に加え、今回演者としてご参加いただいた三戸芳子先生により行われました。医師として、研究者としての見地からの説明・意見や質問を交えた二名体制での司会進行スタイルとなり、参加者の興味を引き付け、一般聴衆の理解が深まるセミナーとなりました。いずれの内容も参加者にとって興味深い内容だったようで、質疑応答時間が不足するほど、活発なディスカッションが交わされました。最後に柴田教授からの閉会の言葉をもって、セミナーは盛会のうちに終了しました。セミナー終了後に開催したPost-seminar discussionでは、演者間や演者と聴衆の間で、さらに活発な意見交換や交流が行われ、次回開催へ繋がるセミナーとなりました。
セミナー動画はこちらから


ポスター 演者・司会による集合写真


柴田教授による講演 Dr. Robineによる講演


Dr. Ladanyiによる講演 熊坂教授による講演


三戸先生による講演 井元教授による講演
IMSUT NY Seminar 2023開催報告
2023年2月17日(金)午後、医科研主催による“IMSUT NY Seminar 2023”を、”Frontiers in Medical Sciences and their Exploding Clinical Applications”のテーマのもと、ニューヨーク(NY)の東京大学NYオフィスにて開催し、在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等から約20名の方々にご参加いただきました。セミナーは、山梨裕司所長のビデオメッセージによるNYオフィスのこれまでの経緯、医科研、セミナーについての紹介のあと、桑間雄一郎ニューヨークオフィス副理事長による司会の挨拶で始まりました。前半には真下知士教授、コロンビア大学のSamuel Sternberg博士、第5回ニューヨーク野口英世記念奨学金受賞者の金井麻里子さん(コロンビア大博士課程学生)による講演が行われました。
休憩後の後半では、中西真教授、古川洋一教授による講演が行われ、セミナーのラストは、Sloan Kettering InstituteのScott Lowe博士による講演となりました。
今回は、桑間NYオフィス副理事長により、医師としての見地からの意見や疑問を交えた司会進行をしていただきました。また、各講演前にそれぞれの講演内容について触れ、それが一般の方にとってどう関わってくるかなどの説明があり、一般の参加者にとっても非常にわかりやすい内容のセミナーとなりました。いずれの講演も参加者にとって非常に興味深い内容だったようで、質疑応答の時間が不足する程、活発な討議が交わされ、最後に中西副所長による閉会の辞を持って、セミナーは盛会のうちに終了しました。


ポスター 演者・関係者による集合写真


真下教授による講演 Dr. Sternbergによる講演


金井さんによる講演 中西教授による講演


古川教授による講演 Dr. Loweによる講演

セミナー会場風景

聴衆も一緒に集合写真
ニューヨーク ウッドローン墓地での野口英世博士墓参報告
2023年2月16日(木)午後、IMSUT NY Seminarのためのニューヨーク出張の一行は、ニューヨーク郊外・ブロンクスにあるウッドローン墓地に、ニューヨーク野口英世記念会の加納良雄副代表の案内により、野口英世博士の墓参をいたしました。野口英世博士の埋葬の経緯など、当時の貴重な話を墓地の職員の方から伺うことができ、世界における野口英世博士の偉大さを改めて感じる墓参となりました。


医科研からの供花と野口英世博士の墓石 野口英世記念会副代表・加納さんと
The UTokyo NY Conference 2018開催報告
東京大学ニューヨークオフィス主催、医科学研究所・生産技術研究所共催による“The UTokyo NY Conference 2018”が、2018年11 月 3日(土)、ニューヨークの日本クラブタワーで開催され、在米の大学・研究機関、様々な分野の企業・団体等から多数の方々にご列席いただきました。カンファレンスは、医科学研究所村上善則所長と東大NYオフィス桑間雄一郎副理事長の開会挨拶で幕を開け、医科研村上善則所長、生産技術研究所福谷克之副所長による各研究所の紹介へと続きました。講演会では、医科研清野宏特任教授より“Rice became a vaccine”のタイトルで、コメを用いた次世代型経口ワクチン(MucoRice)の開発と臨床応用についてお話がありました。続いて医科研山梨裕司教授から “Targeting neuromuscular synapses as a new therapeutic approach for muscle weakness and atrophy”と題して、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経筋疾患に対する新しい遺伝子治療法の開発について講演が行われました。
休憩後の第2部では、マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のThomas Zwaka教授が“The unreasonable effectiveness of pluripotent stem cells: mechanism and mechanics”と題して、多能性幹細胞の有効性や最近注目されているジカウイルス感染症の病態解析などに関する最新の知見を披露されました。次に、同じくマウント・サイナイ・アイカーン医科大学のMiriam Merad教授が、“Harnessing the Tumor microenvironment to enhance cancer care”のタイトルで、がんの微小環境とがん免疫療法に関する最先端のデータを紹介して下さいました。最後に生研谷口維紹特任教授から、“The role of dead cell-derived molecules in the progression of inflammatory disease and cancer: Implications for the development of new therapeutic approaches.”と題して、炎症性疾患や癌に対する新しい治療法の開発についてご講演がありました。
いずれの講演も参加者にとって非常に興味深い内容であり、質疑応答の時間が不足する程、活発な討議が交わされました。
最後に生研福谷副所長による閉会の辞を持って、カンファレンスは盛会のうちに終了致しました。カンファレンス後のレセプションにも多くの方にご参加頂き、研究領域の垣根や国境を越えた新たな出会いと交流が育まれ、今後のニューヨークオフィスの更なる活用が期待される有意義なものとなりました。


ポスター 演者・関係者による集合写真


医科学研究所 清野宏特任教授による講演 医科学研究所 山梨裕司教授による講演


Thomas Zwaka 教授 による講演 Miriam Merad教授による講演

生産技術研究所 谷口維紹特任教授による講演
The UTokyo NY Conference 2017開催報告
東京大学ニューヨークオフィス主催、医科学研究所・生産技術研究所共催による“The UTokyo NY Conference 2017”が、2017年11 月 3日(金)、ニューヨークの日本クラブタワーで開催され、在米及び日本の研究者や様々な分野の企業・団体関係者を含む約80名の方々にご列席いただきました。
詳細はこちらから
「東京大学ニューヨークオフィス開設記念イベント」開催
「医科学研究所」と「生産技術研究所」が主体となり、米国での研究、教育、社会連携活動等の推進を目的として東京大学ニューヨークオフィスを開設したことを記念して、2015年11 月 6日(金)に"Open Innovation for Future Medicine" と題するセミナーと開所式が、オフィスのある日本クラブタワーにて行われました。在米の大学、様々な分野の企業、同窓会団体等から120名を超える方々にご列席いただきました。医科学研究所村上善則所長の開会挨拶で幕を開けたセミナーは、はじめに医科学研究所河岡義裕教授から"Influenza or Ebola - Which is the greater threat?"のタイトルで古くから世界中で流行するインフルエンザと西アフリカで猛威をふるったエボラ出血熱についてお話くださいました。
続いて医科学研究所清野宏教授から"MucoRice: Rice-based oral vaccine"として米を使った経口ワクチンの開発と応用について、生産技術研究所藤井輝夫所長から"Microfluidics as Innovative Technology for Biomedical Applications"のタイトルでマイクロ流体デバイスを用いた細胞培養、医療・創薬への応用についての講演が行われました。
ハーバード大学のKevin Eggan教授は"Combining engineering and stem cell biology to develop treatments for neuromuscular injury and disease"と題して神経筋疾患や損傷の治療法の開発に向けた研究について講演され、続いてメモリアルスローンケタリング癌センターのMichel Sadelain博士から、"CAR therapy and the promise of T cell engineering"のタイトルで改変遺伝子を用いた癌の免疫療法について、最後にMerck Research LaboratoriesのRoger M. Perlmutter博士から"From Bench to Bedside: Breakthrough Research at the University/Industry Interface"として大学と企業による創薬への取り組みについてご講演がありました。
全6件の講演は質疑も多く、時間が足りないほど活発な討議が交わされました。最後に藤井所長から、今後も両研究所によるセミナーを定期的に開催予定であることやオフィスの活動への支援を訴え、閉会の挨拶となりました。
セミナーに引き続き、東京大学ニューヨークオフィスの開所セレモニーが執り行われました。オフィスでのテープカット後の開所セレモニーでは、清野教授が司会者として軽妙洒脱な話術で会場を盛り上げられました。本学古谷研国際担当理事・副学長からのご挨拶でセレモニーが始まり、引き続き藤井所長と村上所長によって両研究所の概要紹介がありました。それぞれの研究所の歴史、特色、今後の展望が熱く語られ、最後は、生産技術研究所野城智也教授の挨拶で締めくくられました。
その後のレセプションは、様々な分野の方々の新しい出会いと交流の場、そして本学OBの旧交を温める場となり、今後のニューヨークオフィスの有意義な活用が期待されるものとなりました。
(医科学研究所・生産技術研究所)

ニューヨークオフィスでのテープカット


東京大学 古谷研国際担当理事・副学長 医科学研究所 村上善則所長


生産技術研究所 藤井輝夫所長 医科学研究所 河岡義裕教授


医科学研究所 清野宏教授 生産技術研究所 野城智也教授

関係者による集合写真