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個別化治療―ひとりひとりを大切に―


現代の医療はEBM(evidence based medicine;証拠に基づいた医療)に代表されるように、標準治療が最も頼りにされ実施されています。
たしかに標準治療をすると多くの人に恩恵をもたらします。

しかし、標準治療だけでよいでしょうか?

一人ひとりの身長、顔、性格が違うように、治療に対する反応も違いがあるのではないでしょうか。
隣の人にはこの方法が良くても、あなたには違う方法が適しているようなこともあると思います。

標準治療だけでいいという方は、他の多くの病院でも同じです。
もし標準治療を基にするけれど一人ひとりの違いを考えた上で最適な治療を提案するように希望されるなら、
私たちのところで治療をさせて下さい。


イリノテカンの副作用

 イリノテカン(商品名:カンプト、トポテシン)は肺がん、
子宮がん、胃がん、大腸がん、乳がん、などの多くの「がん」に
有効な抗がん剤です。しかし、副作用も強いことがあり、
例えば白血球減少、下痢、吐き気、などが生じます。
けれども、副作用の出やすさは人によって違います。
その体質はUGT遺伝子の状態によって決まります。
 このお薬を使う前に採血し、UGT遺伝子の状態を知ると、
副作用が出やすい人がわかります。

表の色がついた部分にあたる方は、副作用が出やすいといわれています。



セツキシマブの効果

 近年、大腸がんの治療薬としてセツキシマブというお薬が使えるようになりました。
大腸がんの約40%ではk-ras遺伝子が変異していますが、このような「がん」ではセツキシマブは効きません。
しかし、残りの約60%では効果が期待されます。私たちは「がん」の遺伝子を調べ、
あらかじめ効きそうかどうか判断し、より有効な治療法を選択するようにしています。



試料の保存

このように、この数年で「がん」の治療は大きく変わってきました。そして、よりよい方向に向かって日夜進化し続けています。
私たちが手術する患者さんには、手術時に「がん」一部やその他の標本を凍らせて保存することにより、
将来の治療法が進歩しても追い付いていけるような準備をしています。
しかし、これは強制的なものではなく、保存するかどうかはご本人の意思を尊重しております。