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括約筋間切除術―できるだけ人工肛門にならないように―


肛門の解剖(かいぼう)

肛門の断面図を模式図で描くと右のようになります。
肛門括約筋は内と外の2つの部分に分けられます。

内肛門括約筋は不随意筋といって
自分で力を入れたり抜いたりできない筋肉です。
意識しないでも力を入れていられるので、
夜寝ている時に便が出ないようにしてくれます。

外肛門括約筋は随意筋で、自分で調節できます。
便が出そうになった時に、こらえるのはこの筋肉の仕事です。




                         今までの直腸手術では肛門を残すための最も低い位置は、
                         図のように肛門括約筋の上の端までとされてきました。
                         これより低い位置では括約筋を壊してしまうので、
                         手術後に便がもれやすくなり通常の生活が困難になっていました。







しかし、肛門から肛門括約筋の一部を残しつつ
内肛門括約筋だけを取ってくる方法が開発されました。
この方法では心配されていた便のもれは少ないとされています。
しかも、より低い場所の「がん」も切除可能になりました。





                                             したがって、赤い星型の部分に「がん」があった時に、
                                             従来のやり方(左)では「がん」の完全切除は困難でしたが、
                                             新しいやり方(右)では可能になりました。
                                             新しい方法ですべての直腸癌が人工肛門なしに切除できるわけではありませんが、
                                             可能性は広がったと言えます。
                                             私たちは、いち早くこの方法を取り入れて治療に生かしています。