「Thrombin generation assay(TGA)の基準値に関する研究」 |
目的: 血友病は生まれた時から出血した後の止血ができない病気で、その原因として凝固のための体内の物質(凝固因子)が欠乏していることがわかっています。欠損している凝固因子の補充が一般的な治療とされ、その効果判定には血液中の凝固因子活性を測定しています。しかし凝固因子に対する抗体(インヒビター)が発生した患者さんでは、その止血状況を従来の検査で評価することは困難であり、さまざまな検査を組み合わせて総合的に評価するしかないのが現状です。現在当院ではこのインヒビターを有する患者に対する止血効果の判定には、全血を使ったthromboelastgraphyでの評価を従来の検査に追加しています。しかし充分なものとはいえず、手術時の止血管理の際にとくに問題となっています。そこで血清を用いた本検査(thrombin generation assay)をさらに追加することでより安全に手術時の止血を行える可能性が期待できます。しかしこの検査の有用性は海外で報告されているが国内での報告は少なく、検査結果を判断するにあたり人種差も指摘されているところから、少なくとも日本で使用する際には基準値の作成がまず必要であり、この基準値を作成することを目的としています。
なお研究にはボランティアとして参加をお願いします。つまり参加いただいた方に直接な利益は全くありません。詳細ついては下記の連絡先まで連絡をください。
電話:03-3443-8111
この研究は医科研での倫理審査委員会にて承認を受けています。 ![]() |