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研究分野紹介

2006年10月2日

感染症国際研究センター

感染制御部門微生物学分野
教授 俣野哲朗

研究内容

感染症国際研究センターは、平成17年度に設立された感染症研究拠点の一つです。特に、感染制御部門には、新たな3グループが集結し、各々独自の研究を進めています。その3グループとは、ウイルス学分野(ヘルペスウイルス専門)の川口寧助教授のグループ、細菌学分野の中川一路助教授のグループ、そしてわれわれ微生物学分野(HIV専門)のグループです。  
以下、われわれのグループについて紹介させていただきますと... 「個体レベル」のウイルス複製機構を「分子レベル」で捉えることをテーマとしています。特に、感染免疫学に視点をおき、自然免疫だけでなく獲得免疫の壁をのりこえ慢性持続感染成立にいたるHIV感染症を対象とし、サル免疫不全ウイルス(SIV)感染霊長類動物エイズモデルを用いて、
  1. エイズ発症機序の解析
  2. エイズワクチン開発
の2点を目的とした研究を進めています。
これまでに、HIV複製抑制に中心的役割を担う細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を効率よく誘導するセンダイウイルスベクターワクチンシステムを開発し、さらに、サル主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の解析を進展させて、ワクチンによりエイズウイルス複製制御に至る世界で唯一のサル群を樹立しました。現在、この独自のシステムを用いて、HIV複製制御につながる免疫機序の解明を進展させています。
エイズワクチン開発においては、ワクチンによるCTL誘導によりHIV複製を制御することが可能であるかどうかが重要課題となっていましたが、われわれの研究は、ワクチンによるエイズウイルス複製制御の可能性だけでなく、エイズ発症阻止の可能性を示す段階まできています。
エイズワクチン開発:HIV持続感染成立阻止