東京大学医科学研究所

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発表論文解説

異種キメラ動物体内に作った膵臓で、糖尿病マウスの治療に成功

Nature 1月25日付(日本時間1月26日)オンライン版 DOI番号:10.1038/nature21070
Tomoyuki Yamaguchi, Hideyuki Sato, Megumi Kato-Itoh, Teppei Goto, Hiromasa Hara, Makoto Sanbo, Naoaki Mizuno, Toshihiro Kobayashi, Ayaka Yanagida, Ayumi Umino, Yasunori Ota, Sanae Hamanaka, Hideki Masaki, Sheikh Tamir Rashid, Masumi Hirabayashi, Hiromitsu Nakauchi*
Interspecies organogenesis generates autologous functional islet

東京大学医科学研究所の中内啓光教授(スタンフォード大学教授兼任)、山口智之特任准教授らの研究チームは、多能性幹細胞のキメラ形成能を利用した「胚盤胞補完法」により、膵臓欠損ラット体内にマウス多能性幹細胞由来の膵臓を作製した。さらにこのマウス膵臓から膵島を分離し、糖尿病モデルマウスに移植したところ、移植直後の5日間を除き、免疫抑制剤無しで1年以上にわたって正常血糖値を維持させることに成功した。
今回の成果で、異種動物体内で作製した臓器を移植した際の有効性と安全性が示され、中内教授らのグループが目指す胚盤胞補完法を利用した臓器再生および再生臓器の移植治療の概念が実証された。
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業インキュベートタイプ(LEAP)における研究開発課題「発生原理に基づく機能的立体臓器再生技術の開発」(研究開発代表者:中内啓光)ならびに国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) の戦略的創造研究推進事業総括実施型研究(ERATO)「中内幹細胞制御プロジェクト」(研究総括: 中内啓光、平成24年度終了)の一環として行われた。
本研究成果は1月25日付の科学雑誌 Nature のオンライン版に掲載される。