東京大学医科学研究所

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発表論文解説

抗がん剤のジェネリック医薬品の安全性に関する初の国際共同研究成果

Lancet Oncology Volume 17, No. 11, e493–e501, November 2016 DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(16)30384-9
Y Tony Yang*, Sumimasa Nagai*, Brian K Chen* (*: co-first authors), Zaina P Qureshi, Akida A Lebby, Samuel Kessler, Peter Georgantopoulos, Dennis W Raisch, Oliver Sartor, Terhi Hermanson, Robert C Kane, William J Hrushesky, Joshua J Riente, LeAnn B Norris, Laura R Bobolts, James O Armitage, Charles L Bennett# (#: corresponding author)
Generic oncology drugs: are they all safe?

東京大学医科学研究所の永井純正講師、米国サウスカロライナ大学のチャールズ・ベネット教授らの日米欧の研究チームは、抗がん剤のジェネリック医薬品の安全性について研究する世界初の国際共同研究プロジェクトを立ち上げ、このたびその成果をまとめた。
抗がん剤は最も高価な医薬品の一つであることから、より安価なジェネリック医薬品は医療経済の観点から重要である。しかしながら、これまで抗がん剤のジェネリック医薬品の安全性に関して国際的かつ包括的な解析は行われてこなかった。
本研究チームは、抗がん剤のジェネリック医薬品の安全性情報に関して、世界中の学術論文のみならず、日米の規制当局で収集している公開情報も網羅的に収集し、解析を行った。その結果、日米欧においては、抗がん剤のジェネリック医薬品の安全性に関して、明確な懸念につながるようなデータは得られなかった。その一方で、発展途上国においては、製造工程等に由来する安全性上の懸念が認められた。
本研究から、世界的に見てもジェネリック医薬品の安全性情報は豊富ではない現状において、日本におけるジェネリック医薬品の市販後のデータ収集の取組みはユニークで重要なものであることが分かり、ジェネリック医薬品の安全性確保に資するデータ創出について日本が主導的役割を果たしていくことが今後期待される。
本研究成果は、2016年10月31日(米国東時間)、Lancet Oncology誌に掲載される。