東京大学医科学研究所

  1. ホーム
  2. 最新研究成果■発表論文解説

発表論文解説

ニューヨークのネコで流行したH7N2インフルエンザウイルスの特性を解明

Emerging Infectious Diseases 24: 75-86, 2018
八田 正人1, Gongxun Zhong1, Yuwei Gao1, 中島 典子2, Shufang Fan1,千葉 志穂1, Kathleen M. Deering1, 伊藤 睦美3, 今井 正樹3, 木曽 真紀3, 中津 寿実保3, Tiago J. Lopes1,3, Andrew J. Thompson4, Ryan McBride4, David L. Suarez5, Catherine A. Macken6, 杉田 繁夫7, Gabriele Neumann1, 長谷川 秀樹2, James C. Paulson4, Kathy L. Toohey-Kurth1, 河岡 義裕1,3
1.米国ウィスコンシン大学、2.国立感染症研究所、3.東京大学医科学研究所・ウイルス感染分野、4.米国スクリプス研究所、5.米国農務省、6.ニュージーランドオークランド大学、7.日本中央競馬会
Characterization of a Feline Influenza A(H7N2) Virus

東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らの研究グループは、2016年12月から2017年2月にかけて米国ニューヨーク市で発生した大規模なネコのインフルエンザ流行の原因ウイルスであるH7N2ネコインフルエンザウイルスの性状を明らかにしました。
 本研究グループは今回、米国ニューヨーク市の動物保護シェルターのネコから分離されたH7N2ネコインフルエンザウイルスに関する性状解析を行いました。その結果、このウイルスは、感染哺乳動物に顕著な症状を引き起こさないにもかかわらず、哺乳動物の呼吸器でよく増え、また、ネコ間で接触感染および飛沫感染することが分かりました。また、フェレット間においても接触感染することが明らかになりました。
 本研究成果は、新たなインフルエンザウイルス株あるいは鳥インフルエンザウイルスが、ネコを介して、ヒトあるいは他の哺乳動物に伝播する可能性があることを示しており、今後のインフルエンザ流行あるいは新型インフルエンザウイルスの対策計画を策定および実施する上で、インフルエンザウイルスの中間宿主としてのネコの重要性を示しています。
 本研究成果は、米国科学雑誌「Emerging Infectious Diseases」のオンライン速報版で公開されました。
 なお本研究は、東京大学、米国ウィスコンシン大学、国立感染症研究所、米国スクリプス研究所、米国農務省、ニュージーランドオークランド大学、日本中央競馬会が共同で行ったものです。本研究成果は、日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業、文部科学省新学術領域研究などの一環として得られました。