細胞固有の性質が遺伝する仕組みを解明 ~DNAメチル化酵素の正確な配置と活性化を制御する仕組み~
細胞固有の性質が遺伝する仕組みを解明 ~DNAメチル化酵素の正確な配置と活性化を制御する仕組み~
Molecular Cell, October 19, 2017, https://doi.org/10.1016/j.molcel.2017.09.037
東京大学 医科学研究所 中西真教授、西山敦哉講師、横浜市立大学 大学院生命医科学研究科 構造生物学研究室 有田恭平准教授、石山怜(博士前期課程)らの研究グループは、DNAメチル化の維
持に関与するDNAメチル化酵素DNMT1が、ユビキチン化されたヒストン H3を認識する機構を解明しました。
・DNAメチル化酵素DNMT1と、DNAメチル化部位へDNMT1を呼び込む目印となるユビキチン化されたヒストンH3との複合体の立体構造を解明し、その制御の仕組みを明らかにしました。
・DNMT1とユビキチン化されたヒストンH3との結合が、DNMT1のDNAメチル化酵素活性を上昇させることを発見しました。
・この成果により、細胞の性質を遺伝する分子メカニズムの一端が明らかとなったのに加え、新たなDNMT1活性化阻害剤の開発にもつながることが期待されます。