東京大学医科学研究所

大学院生の体験談

医科学研究所を選んで

pict_murakami.jpg

腫瘍抑制研究分野

助手 村上 雅人

医学部を卒業後、研究への憧れから病理診断科に進み、「さて研究を!」と考えたとき右も左も判らない私にとって、研究とはどういうもの?何処に進もうか?という感覚でしかありませんでした。そんな状況の中、医科学研究所を選んだのは、直属の上司が医科学研究所 細胞遺伝研究部(現腫瘍抑制研究分野)、澁谷正史教授のもと研究をしていたという単純な理由から、また私自身、手術時に得られる臨床材料を用いて血管新生と予後の相関関係に関する研究をしていたということが縁となり、血管生物学を研究されている澁谷教授のもとへ大学院生としてお世話になることになりました。入学後、すぐ教授直々にクローニングを指導して頂き、恐る恐る研究をスタートしたことが僅か数ヶ月前のように思い出されます。その後は、人並みの苦労(失敗の繰り返し?)を経験しながら研究を行い大学院卒業、ポスドク、現在は助手として研究業務に従事しております。

今回は、「医科研を選んだ理由」ならびに「医科研を選んでよかったこと」というテーマですので、医科研での研究で得られたこと、医科研の特徴などを述べてみたいと思います。  医科学研究所の大きな特徴として、所内に各分野で素晴らしい仕事を成し遂げられている先生方がおられ、それらの研究室と常に自由な雰囲気で、研究をはじめ個人レベルまで様々な交流があることです。例えば、各研究室が有する技術、資源をジョイントさせ、ほかの追随を許さないような共同実験、また実験でうまくいかないようなことがあった時には、その分野のスペシャリストに相談しトラブルシューティングなど、世界レベルを牽引する頭脳、技術、資源を利用できることです。ほかにも、国内・国外から著明な研究者を招いて行われる学友会セミナーの開催、研究成果を発表する医科学研究所セミナー、国内の諸研究所(阪大・微生研、京大・ウイルス研など)間で行われる研究所ネットワークセミナーなど、サイエンスの交流、刺激は日常的なもので途絶えることがありません。

私自身も、医科研内で共同実験を行い、導き出された研究成果を国内外の多くの学会で発表できたこと、そして世界トップの研究者らと議論し、サイエンスの繋がりを構築できたことできたことは、とても素晴らしい経験でありました。また医科学研究所セミナーを始め、様々な学会などで、幸運にも奨励賞などを頂いたのですが、医科研で研究を遂行しているものとして、医科研をとても誇りに思います。このように医科研で研究していたからこそ、得られたであろうということを何度も経験しました。

私は2007年より留学予定で医科研を離れてしまいます。しかし、自身の研究のスタート地点であり、日本に帰ってくればまた帰ってきたいと思う素晴らしい研究所です。

皆さん、医科学研究所での研究生活いかがですか? 唯一無二の存在ですよ!