NBRP研究用ヒト臍帯血細胞バンク事業のパンフレットはこちらから (English version.)


研究用臍帯血の利用状況に関する調査報告書はこちら

東大医科研臍帯血・臍帯バンク

   間葉系幹細胞(MSC)は、炎症部位や組織障害部位に集積し、抗炎症・免疫抑制能と組織修復能を有し、骨髄由来MSCを中心に、新たな再生療法や免疫療法として国内外で臨床試験、一部製造販売も進められています。しかし、これまでの骨髄由来MSC製剤は輸入製剤が主であり、過去のヒト由来製品の歴史から見ても、またトレーサビリティーと安定供給源を確保する点からも、国内での製剤化の必要があると考えております。

   現在臍帯血は造血幹細胞ソースとして優れていますが、骨髄に比べるとMSCは非常に少ない一方で、臍帯はMSCが豊富に含まれていることがわかり報告致しました。

   私ども東大医科研臍帯血・臍帯バンクは、臍帯血と臍帯を用いて、再生医療や血液疾患及び患者数の少ない難治性疾患の治療法の開発、あるいは創薬を目指した基礎的研究を行っています。また、これらの成果により、臍帯血と臍帯に含まれる細胞には炎症を抑える作用と再生医療に応用できることがわかってきましたので、実際に患者さんへの使用を目指した細胞の製剤化(薬のように比較的均一な性質な細胞を作り出すこと)と資源化(バンキング)を進めています。

   現在、近隣の産婦人科のご協力のもとに、臍帯血・臍帯を収集し、東大医科研細胞リソースセンターにて調製・凍結保管しております。帝王切開時で調製側の受け入れ状況から頻度は限られておりますが、特に臍帯由来間葉系細胞のプロセス、品質検査等は進められております。 図の通り、さまざまな疾患に役立てられると考えております。

   本研究は、厚生労働省科研費(現在 A-MED)や文科省科研費(JST)および関連企業より、基礎研究や臨床試験等に向けた準備のサポートを受けて進めています。 皆様のご理解、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

   本臍帯血・臍帯バンクについて、ご質問等がありましたら、下記連絡先までお願い申し上げます。

東京大学 医科学研究所
TEL:03-3443-8111(代表) 長村登紀子(PHS75012)
細胞リソースセンター:直通03-5449-5527 FAX:03-5449-5452

 

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東京臍帯血バンクおよび文科省研究用ヒト臍帯血幹細胞バンク事業に臍帯血をご提供いただきましたお母様方へ

   東京臍帯血バンクは、2014年3月31日をもちまして公的臍帯血バンク事業を終了致しました。永きに渡りご協力いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
   ご提供いただきました臍帯血のうち、細胞数が多く臨床用に利用できる臍帯血は、2014年9月末に日本赤十字社関東甲信越さい帯血バンクに移管されました。一方、臨床使用対象外となった臍帯血もあります。東京臍帯血バンクでは、臨床使用対象外となった臍帯血の一部を、東京臍帯血バンク(公益財団法人献血供給事業団東京臍帯血バンク部 四つ木施設分)から東京大学医科学研究所に移管し、国内で実施される研究に役立たせていただくことになりました。皆様の個人情報につきましては、今後、公益財団法人献血供給事業団で管理され、東京大学医科学研究所へは渡されません。臍帯血は、研究者の所属施設の倫理審査委員会にて科学的・倫理的妥当性について審査・承認された研究課題にのみ提供されます。この件について、疑義がございましたら、遠慮なく下記までご連絡ください。

本件に関する連絡先:

東京大学医科学研究所附属病院 セルプロセッシング・輸血部 准教授 長村登紀子
住所 108-8639 東京都港区白金台4-6-1 ☎ 03-3443-8111 (75012)