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中川チーム メンバー&研究内容

メンバー (2007年4月現在)
中川 英刀
Chang Su-Youn (大学院生)
田村 賢司 (高知大学 泌尿器科医)
細川 雅代 (札幌医大 消化器内科医)
植村 元秀 (大阪大学 泌尿器科医)
柏谷 琴映 (札幌医大 消化器内科医)
内田 仁美 (テクニシャン)
加藤 宏美 (テクニシャン)

研究内容

 我々のグループは、一般的な癌の中で最も悪性度が高く難治性癌の代名詞である膵臓癌と、欧米では最も多く、近年日本でも急速にその発生頻度が増加してきている前立腺癌を対象に研究を行っております。
 マイクロアレル解析より得られた情報を礎にして、それらの分子標的薬とbiomarker の開発に関わる研究を行っており、さまざまなスキームを用いて、これらの癌の医療への直接の貢献を目標としております(図1)

図1

膵臓癌について
 膵臓は、胃の裏側(背側)に位置し、消化液を作る機能と血糖を制御するホルモン (インシュリンなど)を分泌する機能を有しています。この膵臓に発生し、消化液分泌に関わる細胞から発生する癌が、一般的に「膵臓癌」と言われます。
日本/欧米では、臓器別癌死亡者で第4位、5位と頻度の高い癌であり、日本では毎年約2万人弱、アメリカでは3万人がこの癌で亡くなっています。悪性度が非常に高く難治性癌の代名詞といえ、膵癌患者さんの約95%は治療に反応せず亡くなります(5年生存率5%)。現在、治癒が望めるのは手術による切除のみですが、8割以上の患者さんは手術不能な状態で発見されます。
その難治性の原因として、
1)内視鏡などによる早期発見がきわめて難しく、発見時すでに高度進行癌である。
2)手術可能な段階で発見されても、生物学的悪性度がきわめて高く(容易に転移、浸潤する)、手術後に80-90%が肝臓や腹膜に再発する。
3)従来の化学療法や放射線療法に抵抗性である。
我々のグループでは、間質の多い膵癌組織より膵癌細胞のみをマイクロダイセクション法によって純化し、その正確な遺伝子発現情報を作製してきました(図2)。この遺伝子発現情報を通して、膵臓癌の早期発見につながるような腫瘍マーカーの開発と、膵癌の治療につながるような新規分子標的薬の開発を最終目的としています。

図2

前立腺癌について
 前立腺は、膀胱の下に位置するクルミ大ほどの大きさの臓器で、男性の精液の分泌に関わっています。前立腺癌は、欧米では乳癌と並び最も頻度の高い癌であり、欧米型の食事や高齢などがその危険因子として考えられ、日本でも最近、急速に発生頻度が増加しています。
現在の天皇陛下や森前首相、ジュリアーニ前NY市長、パウエル前国務長官、フセインヨルダン国王など、著名人が罹患する癌として有名です。治療法としては、手術療法、放射線療法、ホルモン療法などが行われており、進行が遅く、いわゆる『おとなしい』癌の部類に入ると言えます。再発/再燃しても、男性ホルモンを押さえる治療(ホルモン療法)の効果があります。しかし、その約1/4は、次第にホルモン療法が効かなくなり、そうなると次の化学療法などの治療法はあまり有効ではありません。
我々のグループは、このホルモン療法が効かなくなったホルモン抵抗性前立腺癌に注目して、臨床サンプルの正確な遺伝子プロファイルの作製を行ってきました(図3)。この遺伝子発現情報を礎にして、前立腺癌に対する新規の治療薬を開発することを最終目標としています。

図3


Copyright © 2007 Yusuke Nakamura's Labo., All rights reserved.
Last update: 2007.4.12

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