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シークエンス技術開発分野
片桐チーム メンバー&研究内容

メンバー (2007年4月現在)

片桐豊雅
林 孟磊 / 朴 在賢 / 土橋 祥子/ 網代 将彦/ 金 正元
福川 千香子 / 植木 知身 / 原田 陽介 / 藤原 淳 / 富樫 亮
木島 暁子 / 内藤 希恵 / 藤澤 淑子 / 小沼 亜希子/ 佐々木 亜弥


2007 Member

2005 Member

2004 Member

2003 Member

2002 Member

研究内容

ヒトゲノム解析研究の第一段階であるヒトゲノムのDNA塩基配列の解読が完了し、今後はこのゲノム上に存在する遺伝子の機能解析、特に疾患関連遺伝子解析研究が重要となってくる。数万種類もの遺伝子について一度に発現情報を得ることができるマイクロアレーを利用した解析は、とりわけ、がん研究において威力を発揮し、臨床的な観点からのがん研究を進める上でも重要な役割を担うと考えられる。
当研究室ではヒトの全遺伝子をほぼ網羅した32,256個の遺伝子を配置したcDNAマイクロアレーを独自に作製し、これを用いて乳癌・腎臓癌・膀胱癌・軟部肉腫をはじめとしたさまざまな種類の癌における遺伝子発現プロファイルの解析を行っている。また、癌組織の組織学的不均一性を考慮して、LMM(Laser Microbeam Microdissection)法により、選択的に癌細胞を採取し、より正確な癌の遺伝子発現情報を取得している (Fig.1)
さらに、われわれは、約30種類のヒト正常臓器の遺伝子発現情報データベースも構築しており、これらの発現プロファイルを比較することで、正常臓器特に生命維持に重要な臓器には発現を認めず、癌細胞のみで発現亢進を認める遺伝子をそれぞれの腫瘍に対する新たな診断および分子標的治療薬、抗体薬、癌ペプチドワクチン開発のための分子標的候補遺伝子として、その機能解析を行っており、現在までに複数の分子標的候補遺伝子を同定した。その中のひとつとして、滑膜肉腫において高頻度に発現亢進を認めるFrizzled homologue 10 (FZD10)は、7回膜貫通型受容体をコードし、正常臓器ではほとんど発現が認められない遺伝子である。さらにsiRNAによる発現抑制実験の結果、FZD10は滑膜肉腫の細胞増殖に関与する遺伝子であることがわかった。抗FZD10ポリクローナル抗体は、滑膜肉腫細胞株に対して高い抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を示し、またヌードマウスxenograftにおいて腫瘍増大を低下させた。さらに、抗FZD10マウスモノクローナル抗体を樹立したところ、ヌードマウスxenograftにおいて高い特異性を持って腫瘍に集積性を示した(Fig.2)ことから、現在このマウスモノクローナル抗体を用いた滑膜肉腫の治療薬開発を目指している。

1.乳癌・膀胱癌・腎臓癌・軟部肉腫分子標的治療薬開発のための標的分子の機能解析

2.膀胱癌におけるM-VAC術前化学療法の効果予測法の開発とその臨床応用

Fig.1

Fig.2

Copyright © 2007 Yusuke Nakamura's Labo., All rights reserved.
Last update: 2007.4.4

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