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遺伝子レベルでの病気の解明 −ヒトゲノム計画と新たな治療法の開発

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東京大学医科学研究所新井 賢一 教授

そして今日では、病気の原因が遺伝子レベルで解明されつつあります。 病気が発生する原因も、患者さんが示す様々な症状も、何万個もある ヒトの遺伝子のどれか特定のものが変調をきたしていることがその原因である ということも次第に明らかにされてきました。 最近話題になっているヒトゲノムの情報の解読が実現すれば、これからの医学、 これからの病気治療はさらに大きく変わることでしょう。 たとえば20世紀の感染症の克服において非常に重要な役割を果たしたものは、 血清療法、ワクチン、ペニシリンをはじめとする抗生物質でありましたが、 21世紀のゲノムの医療においては薬というものの概念も大きく変わっていくという ことが考えられます。これまでの有機化合物を土台とする薬に加えて、 遺伝子工学の進歩によって、タンパク質や抗体が薬として扱われるように なっています。さらに遺伝子そのものを薬として使う遺伝子治療も実現しつつ あります。また細胞治療の分野においては、細胞そのものを薬として考えて 体外に取り出した細胞を正常な細胞に修復して、それを他の人々あるいは自分自身に 移植するという細胞治療の考え方が登場しています。 医科研は病気が生じる原因となる、異常な遺伝子の所在を明らかにすること、 その異常な遺伝子によってどうして病気が発生するか、そのメカニズムを 明らかにすること、そしてこれらの成果をもとにして新しい治療法を開発 することを究極の目的として研究に全力をあげています。

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