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オルガノイドと組織1細胞解析の統合によるがん治療抵抗性ニッチの理解

学友会セミナー

開催情報

開催日時 2021年11月30日(火)17:00~18:00
開催場所 オンライン開催(Zoom) (聴講希望者は世話人:yofurukawa(@)g.ecc.u-tokyo.ac.jp ※@の( )は送付時は外す。まで)
講師 岡本 康司 博士
所属・職名 国立がん研究センター 研究所がん分化制御解析分野・分野長
国名 Japan
演題 オルガノイドと組織1細胞解析の統合によるがん治療抵抗性ニッチの理解
世話人 主たる世話人:古川 洋一
世話人:中西 真

概要

がん組織はがん細胞と様々な非がん細胞により構成される複雑な組織であるが、がん細胞とCAF(cancer-associated fibroblasts)やマクロファージ等の非がん細胞が形成する共生空間は、治療抵抗性と密接な関係があると考えられる。がん組織中の治療抵抗性ニッチの本態を明らかにするため、臨床検体及びマウス移植腫瘍モデルを対象として、シングルセル解析と空間的トランスクリプトームの統合解析を行った。治療感受性及び抵抗性の卵巣明細胞がん手術検体の比較解析を行なった結果、抵抗性症例に特有ながん細胞群が存在する事、及び抵抗性がん細胞群はCAFとの混在領域に存在する事が示された。一方、これまでの研究で、大腸がんの休止型がん幹細胞が治療抵抗性に関わっている事を明らかにしているが、大腸がん移植腫瘍モデルの統合解析から、休止型がん幹細胞は間質との境界領域でCAFと共在する事が示された。CAFの治療抵抗性における役割を明らかにするため、がんオルガノイドとCAFのin vitro共培養系を樹立し、治療抵抗性の機能的検証を進めており紹介したい。