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安全な上部消化管手術に向けての取り組み

学友会セミナー

開催情報

開催日時 2020年9月3日(木)18:00~
開催場所 ZoomによるWEB開催(聴講希望者は世話人:furukawa@ims.u-tokyo.ac.jpまで)
講師 愛甲 丞 博士
所属・職名 東京大学大学院医学系研究科消化管外科学 講師
演題 安全な上部消化管手術に向けての取り組み
世話人 主たる世話人: 北村 俊雄(細胞療法分野)
世話人: 古川 洋一(臨床ゲノム分野)

概要

 近年、手術患者の高齢化や合併症を持つ患者の増加に伴い、外科手術の低侵襲化への様々な試みが行われている。上部消化管領域でも、腹腔鏡手術やロボット手術の適応拡大や切除範囲の縮小などの取り組みが実施されている。
 食道癌手術は、これまで頚部・開胸・開腹操作を伴う手術が標準術式として行われてきた。しかしこれらの操作を伴う術式は合併症発生率が高く、中でも術後肺炎は致命的な合併症となり、安全で低侵襲な手術術式の開発が求められている。そこで愛甲博士らは、胸部操作を開胸して行わず、頚部と腹部から手術用ロボットを用いて行い胸部食道を切除する手技(ロボット支援下経縦隔食道切除術)を開発し実践されてきた。その結果、従来の開胸を伴う術式に比べ、肺炎の減少と入院期間の短縮が認められた。また博士らは、術後食事摂取量低下による低栄養やダンピング症候群などが問題となっている胃癌に対する胃切除術に対して、幽門保存胃切除や噴門側胃切除などの縮小手術の実践や、腹腔鏡内視鏡併用胃局所切除法などの新たな術式の開発を行ってきた。
 本セミナーでは、愛甲博士が関わってきた新たな上部消化管手術の成果や、高度肥満症に対する腹腔鏡下の肥満手術の成績、術後の筋力や運動機能低下を抑えるためのアミノ酸摂取など栄養支持試験の成果をご紹介いただく予定である。