西中村教授からのメッセージ
 
 熊本大学発生医学研究センターは21世紀COEの拠点でもあり、全国から若手のstaffが集まっています。教授の平均年齢は40歳前後ではないかと思います。私達の腎臓の他に、神経、血液、膵臓、肝臓など臓器形成の研究室が集まっており、またより基礎的な研究室(epigeneticなど)も多数あり、共同研究が可能です。使う材料もハエ、カエル、マウス、ヒトと多彩です。さらに2005年7月完成に向けて新棟建設中で、私達は9階建ての4階に移動する予定です。すぐ横には、大学のなかでは日本一大きい動物施設(CARD)があり、我々のマウスもそこで飼育します。維持はそこの職員によって行われ、また体外受精、cleaningなどの作業もやってもらえます。我々のマウスもこの施設が主導するマウスバンクに寄託し、homepageにのせて世界に供給するシステムになります。COEによる学生への経済的サポートもありますし、極めて高度で面白い研究環境だと思っています。特に私の研究室は新しいので人員の余裕があり、大学院の合格率は高くなります。私の目にかないさえすればよほどのへまをしないかぎり大丈夫でしょう。
 

熊本が田舎だという方へ

 
 その通りです。東京にくらべれば非常に小さい街です。しかし、研究を大都市でやる必然性があるでしょうか?毎週、オペラやコンサートに行く方は確かに東京が便利ですが、研究者のほとんどは研究ばかりやっていてあまりそういうことは少ないのではないでしょうか。むしろ家賃が安く、メシがうまく、すぐ近くに阿蘇や温泉、海など自然があって、週末に息抜きができる環境の方が適していると私は思います。当然研究室やマウス施設の面積も広いわけで、研究環境としては十二分です。東京とも飛行機で1時間半ですから、そんなに大変でもありません。わたしも頻繁に日帰りしています。情報の遅れを心配されるかもしれません。しかし現在はinternetにより情報のtime lagは無くなっています。学会は確かに大都市で多いですが、大都市にいてもその全部にでるわけではありませんから、得られる情報はたいして変わりません。特に私の研究室は腎臓発生という珍しい研究をしているので、日本の学会で他の人のdataを気にしてビクビクすることはありませんし、頻繁に他からの情報が必要な研究は今後もしないつもりです。海外の研究室と国際学会やメールで情報交換すれば十分ですし、むしろ熊本から世界にむけて新しいdataを発信すべきだと考えています。アメリカに留学された方ならわかると思いますが、アメリカの都市のほとんどは非常に小さい街です。それが点在しており飛行機で往来します。彼らは小さくて自然の多い街で生活をエンジョイしながら、研究しています。私もアメリカから東京に帰ってきたときは生活の質の低下に悩みましたが、ようやく熊本で人間らしい暮らしができると期待しています。
 
 
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最終更新日 2004年5月26日