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新学術領域「幹細胞老化と疾患」国際活動支援 派遣報告

派遣研究者:千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学 鈴木 佐和子
訪問先:Columbia大学 Biological Science Carol Prives教授
期 間:H29年 2月22日-(6ヶ月の予定)
目 的:グルタミン代謝を介した肥満-NASH/HCC制御機構の解明
 今回私は、世界有数の長寿国となった日本で、いわゆる「健康寿命」を短くしている生活習慣病と癌において生体内でp53-グルタミン代謝が関与していることを明らかとし、その分子病態解明を目指した国際共同研究のため、コロンビア大学 Prives教授の元へ渡米させていただきました。Prives教授は、p53分野の先駆者・エキスパートであり、Molecular biology、特にプロテオーム解析やトランスクリプトーム解析に精通しており、様々な異分野の研究者との交流、共同研究を活発に行っています。渡米後すぐに、Prives教授主催の大型グラントを獲得している6つの研究機関が1年に一度集まるp53合同カンファランスが開催されました。そこでJiang教授と直接discussionする機会を得ることができ、彼の実験方法および結果が本研究と大きくクロストークすることを知りました。Prives教授とより具体的な研究計画を練り直し、実験手法を学び、現在、多くの疑問が残っていた分子病態の解明に向けて、重要な結果が得られつつあります。私はこれまで千葉大学大学院医学研究院で研究・臨床・育児生活を謳歌してきましたが、研究環境が変わったことが一度もなく、自分の視野がせばまっていたこと、国際共同研究を通じてグローバルサイエンスを的確に判断することの重要性を痛感致しました。またPrives教授はアメリカに長年ラボを構える女性研究者でもあり研究分野のみでなくその体制やラボの運営体制を見れたことも非常に貴重な経験となりました。長期渡米することは家庭の事情で困難であった中、短期で、共同研究という形で行く機会をいただき、研究が大きく発展できましたことに深く感謝申し上げます。今後も構築した国際研究ネットワークを大切に連携を深めながら研究を推進していきたいです。
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