●結核などの感染に対する生体防御にはTヘルパー(Th)1細胞の活性化に依存した抗原特異的免疫反応が必須となる。また、がん細胞を標的としたT細胞依存性の免疫応答において、細胞傷害性T細胞の重要性とともに、Th1 細胞の重要性も認識されている。したがって、有効にかつ効率よくTh1細胞を活性化することは感染、腫瘍に対する治療方法の一つである(図:Th1&Th2)。 しかしながら現在までに、生体内でTh1反応を有効にかつ効率よく、さらに副作用を軽減した状態で惹起する治療方法は開発されていない。  

●我々は、それ自身で細胞性免疫応答を強く惹起できる抗原ペプチドで、他の抗原と共存するとTh1免疫応答を有効に惹起するアジュバント活性を示す抗原ペプチドを探索し、Th1細胞誘導の分子機構を明らかにするとともに感染、腫瘍を免疫学的に排除する有効な手法を開発することを目的とし研究を行っている。

●ヒト型結核菌の分泌する主要な分泌抗原であるα抗原 (MPT59やAg85Bとも呼ばれる) 由来の抗原ペプチドPeptide-25がI-AのハプロタイプによらずTh1細胞の活性化を選択的に誘導する活性を持っていることを明らかにしている(図:Peptide25)。この系を用いて、Peptide-25による選択的なTh1細胞への分化誘導の細胞性および分子機構を明らかにするとともに(図:P25variants&Th1)、Peptide-25による結核、腫瘍に対する免疫反応の増強機構に関して解析を行っている(図:Tumor immunity)。

   

Th1&Th2


P25variants&Th1

Peptide25


Tumor immunity