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医科研附属病院 −探索的臨床研究
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東京大学医科学研究所には、所長の話にもありましたように、病院が併設され
ております。この病院は小規模でありますが、わが国唯一の研究所病院であり
ます。医科研附属病院の役割は、急速に進歩している先端的な生命科学の研究
の成果を実際の治療に役立てられるよう医療の開発を展開する点にあります。
すなわち研究の成果が医療として実際に確立するまでの間を患者さんといっしょ
に協力しながら共同しながら探索的な臨床研究をおこなう場所といってよいと
おもいます。こうした姿勢で多くの業績を残してまいりました。たとえばワク
チンの開発などがあげられます。あるいは臓器移植がございました。そして最
近の研究の動向は大きく3つの分野に分けられています。ひとつは遺伝子治療
の開発です。病態に関係する遺伝子を標的にし病気を根本から治す治療法です。
二つめは細胞療法の開発です。血液のもとになる細胞以外の細胞も移植に用い
ることによって適用疾患領域を広げるということです。三つめはゲノム医療の
展開です。患者によって異なる遺伝子情報にあわせたお薬の種類の選択、使用
法を決めていくことであります。
- 遺伝子治療の開発
- 細胞療法の開発
- ゲノム医療の展開
医科研附属病院はこのような治療法を開発することによって、効率性の高い、
副作用のない、苦痛のない医療を実現していきたいと考えております。
- 効率性の高い医療
- 副作用のない医療
- 苦痛のない医療
しかし新しい医療を開発していく場合に、これまであまり考えられることのな
かった生命倫理の問題に配慮することが特に重要です。遺伝子の操作によって
クローン人間をつくることができるとかいろいろな可能性が語られていますが、
人間の多様性を尊重すること、すなわち優生学的な考え方の否定、遺伝子にま
つわるプライバシーの保護、患者さん個人の意思の尊重など、医科研附属病院
はこういった人文科学の領域にも十分配慮しながら、これからは社会的なコン
センサスを求めつつ、先端的な生命科学の研究、新しい医療の開発をおこなっ
ていくことになろうかとおもいます。
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