東京大学医科学研究所

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発表論文解説

赤痢菌による微小管切断活性は菌の細胞内拡散に必須である

Science. 2006 Nov 10;314(5801):985-989
吉田整、半田浩、鈴木敏彦、小川道永、鈴木仁人、玉井明日香、阿部章夫、片山栄作、笹川千尋
感染免疫部門細菌感染分野
Microtubule-Severing Activity of Shigella Is Pivotal for Intercellular Spreading. Yoshida S, Handa Y, Suzuki T, Ogawa M, Suzuki M, Tamai A, Abe A, Katayama E, Sasakawa C. Science. 2006 Nov 10;314(5801):985-989.

赤痢菌をはじめとする病原細菌のなかには、宿主細胞の細胞質へ侵入するものがいる。このような菌は、細胞質で増殖・分裂するとともに菌体の一端でアクチンを重合して細胞内を移動(運動)するとともに隣接細胞へ拡散する。今回、運動する赤痢菌にとって微小管ネットワークが物理的な障害となることが判明した。しかし赤痢菌は、微小管を破壊するタンパク質を分泌しながら、この障害となる微小管ネットワークのなかを円滑に移動していることが明らかとなった。微小管といういわば ジャングルのなかを、細菌が巧みに伐採して移動する驚異的な能力が始めて明らかとなった。