東京大学医科学研究所

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発表論文解説

食べても太りにくくするには?体の脂肪量を制御する骨格筋—肝臓—脂肪連携を発見

Nature Communications 6, Article number: 6693 doi:10.1038/ncomms7693
清水宣明1、丸山崇子1、吉川賢忠1、松宮遼1、馬艶霞1、伊藤尚基2、田坂有希1、栗原(宗田)明子1、宮田敬士3、尾池雄一3、ステファン・バーガー4、ギュンター・シュッツ4、武田伸一2、田中廣壽5
1,東京大学医科学研究所附属病院アレルギー免疫科 2,国立精神・神経医療研究センター遺伝子疾患治療研究部 3,熊本大学大学院生命科学研究部分子遺伝学分野 4,ドイツがん研究センター 5,東京大学医科学研究所附属病院抗体・ワクチンセンター免疫病治療学分野
A muscle-liver-fat signalling axis is essential for central control of adaptive adipose remodelling

肥満や生活習慣病の克服は21世紀の大きな課題です。東京大学医科学研究所附属病院の清水宣明特任研究員、田中廣壽教授らは、国立精神・神経医療研究センター、熊本大学、ドイツがん研究センターとの共同研究により、遺伝子操作によって骨格筋のタンパク分解経路を抑制したマウスを用いて「骨格筋-肝臓-脂肪連携」が体脂肪量の生理的調節に重要なことを発見しました。骨格筋タンパク質分解が抑制されると血液を介して肝臓に届くアミノ酸が減り、肝臓から脂肪へエネルギー代謝調節の信号が伝達されて脂肪組織が縮小します。すなわち、「骨格筋-肝臓-脂肪連携」は、タンパク質からエネルギーが産生されない状態では脂肪がより燃焼する状況にエネルギー利用の選択性をトランスフォームする装置と言えます(図)。この発見は新しい作用機序を有する新規抗肥満薬・生活習慣病治療薬や食事療法の開発につながるものと期待されます。