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肝虚血再灌流障害におけるインフラマソーム非依存性のIL-1β産生機序の解明

学友会セミナー

開催情報

開催日時 2023年10月27日(金)16:00~17:00
開催場所 ZoomによるWeb開催 https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/87030926845?pwd=z6Aix0a7ZosbkCHvOAJkOavie43KP6.1
講師 佐田友 藍
所属・職名 自治医科大学消化器一般移植外科・助教
演題 肝虚血再灌流障害におけるインフラマソーム非依存性のIL-1β産生機序の解明
世話人
主たる世話人 長村 文孝(先端医療開発推進分野)
       志田 大 (フロンティア外科学分野)
       

概要

肝虚血再灌流障害は、肝切除や肝移植などの術後合併症の原因の一つとなる病態であり、その機序を解明するため様々な研究が行われている。この病態には無菌性炎症が関与することが分かっており、その炎症を引き起こす経路としてNLRP3インフラマソームと呼ばれる細胞内で形成されるタンパク質複合体が注目されている。NLRP3インフラマソームは、パターン認識受容体のNLRP3、アダプター分子ASC、インターロイキン-1β(IL-1β)変換酵素であるカスパーゼ-1により構成されている。インフラマソームが形成されると強力な炎症性サイトカインであるIL-1βの前駆体が成熟型へとプロセシング(切断)され、IL-1βが放出される。炎症性サイトカインの一つであるIL-1βが産生・放出されると炎症が惹起され組織の障害が引き起こされる。われわれは、肝虚血再灌流障害において、このインフラマソーム経路とは異なるインフラマソーム非依存性のIL-1βプロセシング機序が炎症惹起と組織傷害に寄与していることを証明した。これらの研究成果について紹介する。