English
Top

国際粘膜ワクチン開発研究センター

センター長    石井 健

結核、マラリア、HIVや新型インフルエンザやエボラ出血熱、MERSなどに代表される新興・再興感染症に対するワクチン開発は世界的重要課題の一つです。同様に、花粉症や食物アレルギーといったアレルギー疾患や癌も先進国を中心に深刻な問題となっています。感染症・アレルギー・癌の主要発症部位となっているのは、呼吸器や消化器などの粘膜組織であり、旧来の薬物投与方法の改善の必要性を鑑みると、粘膜組織およびその免疫システムをターゲットとする「粘膜ワクチン」の研究開発は急務です。世界の免疫研究の推進において先導的役割を担っている我が国が次世代を担う病気の予防・治療戦略として「粘膜ワクチン」の開発を率先して行うことは、国際社会の中で貢献すべき重要な役割の一つと言えます。このような機運の高まりを受け、医科学研究所では現在まで培ってきた免疫学、感染症学、癌生物学、ゲノム医科学の知的技術基盤を横断的に融合する国際連携研究を推進するため、平成23年に国際粘膜ワクチン開発研究センターが設置されました。当センターでは粘膜ワクチンに関する基礎研究および医療応用を推進することで、新学術領域としての「粘膜ワクチン学」を創成し、当研究領域において次世代を担う研究者育成の拠点となることを目指しています。