東京大学医科学研究所

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遺伝子治療の時代の到来

遺伝子治療が世界的に復活してきている。2017年にはB細胞性腫瘍の急性リンパ芽球性白血病と悪性リンパ腫に対するCD19-CAR-T細胞療法の2件が米国FDAで承認された。さらに同年12月にはレーバー先天性黒内障に対するAAVベクター遺伝子治療も承認された。その他、血友病Bや脊髄性筋萎縮症(SMA)に対するAAVベクター遺伝子治療の臨床試験でも明瞭な効果が得られたことが報告された。さらに最近では、ゲノム編集技術を応用した遺伝子治療の開発研究がトピックスとなっており、臨床試験も一部開始されている。このように、深刻な副作用でしばらく停滞していた遺伝子治療の実用化研究が急速に発展、活発化してきており、その最新動向をまとめた総説がScience誌の2018年1月12日号に掲載された。大変時宜を得た内容となっている。
著者のDunbar博士、High博士、Kohn博士、Sadelain博士はいずれも米国遺伝子細胞治療学会の会長を務めたこの分野の第一人者であり、小澤も日本遺伝子細胞治療学会の会長を務めた研究者である。また、Joung博士はゲノム編集技術の代表的研究者として知られる。遺伝子治療の現状と将来を概括する上で相応しい顔ぶれとなっている。

"Gene therapy comes of age" Science 359(6372): eaan4672, 2018.
Cynthia E. Dunbar,1* Katherine A. High,2 J. Keith Joung,3 Donald B. Kohn,4 Keiya Ozawa,5 Michel Sadelain6*
1Hematology Branch, National Heart, Lung and Blood Institute, Bethesda, MD USA.
2Spark Therapeutics, Philadelphia, PA, USA.
3Massachussetts General Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA.
4David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angeles, CA, USA.
5The Institute of Medical Science, The University of Tokyo, Tokyo, Japan.
6Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New York, NY, USA.
*Corresponding author.