平成24年度東京大学医科学研究所共同研究募集要項
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平成24年度東京大学医科学研究所共同研究募集要項

 東京大学医科学研究所(以下「医科研」という。)の有する多彩な研究実績、豊富な人的資源、高度な研究基盤を広く国内外の研究者に対して開放するために、以下のとおり、先端医療研究開発共同研究領域、疾患システム共同研究領域、感染症・免疫共同研究領域の三つのコアとなる研究領域を設け、各領域に関連する共同研究課題を公募します。医科研内のシーズに医科研外のシーズを組み合わせることで、新たな研究の展開に結びつくことを期待するものです。

(1) 先端医療研究開発共同研究領域
 近年、医療につながる基礎研究成果を臨床へ応用するための橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ:TR)はその重要性が唱えられ、戦略重点科学技術として推進されてきた。東京大学医科学研究所は、平成19年度に、文部科学省のプロジェクト「橋渡し研究支援拠点形成プログラム」の一環として、東京大学を実施機関とする「先端医療の開発支援拠点形成と実践」というテーマが採択されたのを受け、これまでTRの推進拠点として精力的に基礎研究並びに初期臨床試験を実施してきた。
 現在、医科学研究所ではTRを目指し、ヒトゲノム、がん、免疫、感染症及び幹細胞治療を対象とした幅広い研究が行われている。ヒトゲノム研究では、スーパーコンピューターを用いた遺伝子情報の解析による難治性疾患の先端研究を行い、遺伝子診断技術の開発、分子標的療法の開発などを目指すと同時に、生物学の発展に必須な基盤研究を進めている。がん、免疫、感染症分野では附属病院における診療と深く連携しつつ基礎研究成果を発展させ、臨床応用を目指すと共に、臨床試験結果の解析を踏まえた基礎研究を行なっている。また、幹細胞治療研究では基礎研究の成果と、附属病院における先端医療の実績と経験を融合することで、幹細胞移植医療をさらに発展させ、難病治療に対する幹細胞治療法の開発研究を目指している。
 この様な医科学研究所のTRへの取り組みをさらに推進させるために、先端医療研究開発共同研究領域では、附属病院における診療と深く連携しつつ基礎研究成果を発展させ、臨床応用を目指す下記の研究課題を公募する。
【研究区分】
  1. ゲノム関連情報に基づくバイオインフォマティックス研究
  2. ゲノム情報を応用した臨床研究
  3. 造血機構の解析及び造血器腫瘍化の解明と造血器腫瘍の新規治療法の開発
  4. 固形癌に対する遺伝子解析と新規治療法の開発
  5. 遺伝子治療用ベクターの開発と作製
  6. 感染症診療と連携した、感染病態の解析や診断、治療に関する技術開発研究
  7. 自己免疫疾患を中心とした免疫病治療を目指した分子標的療法の基礎研究
  8. ヒト幹細胞(ES細胞、iPS細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞など)を用いた幹細胞制御機構の解明と病因究明
  9. 次世代再生医療に向けた造血幹細胞の治療法開発
  10. 次世代再生医療に向けた固形臓器再生法の開発

(2) 疾患システム基礎研究共同研究領域
 疾患システム共同研究領域では、システム疾患モデル研究センター及び癌・細胞増殖研究部門、プロテオミクスラボラトリーにまたがる共同研究課題の募集を行う。
 システム疾患モデル研究センターにおいては、生体を一つのシステムと考え、疾病を生体システムの異常として捉えることにより、新たな治療法・治療薬の開発を目指している。生体システムは多くの遺伝子の働きによって恒常性が保たれており、多くの疾病には遺伝子の機能異常が関与することが知られている。従って、新たな治療法の開発のためには、疾病に関連する遺伝子の機能とそれらの相互関係を個体レベルで知ることが重要である。本共同研究計画では癌、免疫、アレルギーなどの疾病について、発症過程で重要な役割を果たしていると考えられる遺伝子の遺伝子欠損マウスを系統的に作製し、これらの遺伝子の機能と相互関係を明らかにして発症病理を解明すると共に、新たな治療法・治療薬の開発を行うことを目的とする。また発生工学的手法を用いた幹細胞と神経系への分化研究、血管・リンパ管の発生分化、生殖細胞分化研究も広く行っていく。
 一方、細胞の癌化・悪性化には、複数の癌遺伝子、癌抑制遺伝子の構造異常、発現異常が関わっており、癌・細胞増殖部門では、これら癌関連分子の遺伝子、蛋白質、細胞、モデル動物、人体病理組織レベルでの機能解析を通じて、発癌と進展の分子機構の解明と、癌の新たな診断法、治療法に結びつく分子標的の同定を目指している。特に、細胞分裂時の染色体分配や、細胞の増殖、分化に関わる細胞内シグナル伝達、転写制御の分子機構を解明し、癌におけるその破綻の意義を明らかにする研究や、生理的な細胞間接着と細胞・間質相互作用、並びにその破綻としての癌細胞の浸潤、転移の分子機構を明らかにする研究を進める。また、これらの基礎的な知見を基盤として、その機能を制御可能な低分子の探索、治療用あるいは診断用抗体の開発に関する研究を行う。
 そこで、以下のような課題について、全国の基礎研究施設、臨床研究施設と共同研究を行うことにより、研究の深化、拡大と成果の応用、発展を図る。
【研究区分】
  1. 幹細胞と中枢神経系の分化機構
  2. 骨代謝関連遺伝子の解析
  3. 血管・リンパ管の発生分化機構
  4. 生殖細胞発生制御と再生モデル
  5. 免疫アレルギー関連遺伝子の解析
  6. 染色体分配異常と癌
  7. チロシンリン酸化シグナルの異常と癌・難治性疾患
  8. 転写制御異常と癌の悪性化、並びに癌幹細胞の成立維持
  9. 膜型マトリックスメタロプロテアーゼと癌
  10. 細胞接着分子の異常と癌
  11. 蛋白質相互作用を制御する低分子の探索と応用
  12. 疾患システム研究に関する抗体工学

(3) 感染症・免疫共同研究領域
 わが国では、インフルエンザウイルス、HIV、ヘルペスウイルス、HBVなどの新興・再興感染症の問題がより深刻化し、感染症に対する社会の関心・認識が急速に高まってきている。人的交流のグローバル化、地球の温暖化、高齢化など、さまざまな要因により、感染症は今後ますます深刻化することが懸念される。さらに生活習慣・環境の急激な変化は、感染症に影響し、宿主応答の異常に起因するアレルギー疾患や自己免疫疾患の急激な増加を引き起こしており、これらの疾患も今後さらに増加することが懸念される。
 このような背景をふまえて、感染症・免疫共同研究領域では、感染症及び宿主における免疫応答についての基礎的な研究を進めると同時に、そこで得られた知見に基づいた新たなワクチンや治療法の開発を目指している。
 これを踏まえ、以下の課題について、領域で進行中の研究のさらなる進展に結びつく共同研究、領域に新たな解析技術を導入しうる共同研究、及びこれらの研究システムを新たな病原体や領域に応用する共同研究を公募する。
【研究区分】
  1. インフルエンザウイルス、エボラウイルス、パラミクソウイルス、HIV、HTLV、ヘルペスウイルス、HCV、HBV等やその他の新興・再興感染症を対象とする、病原体側の因子と宿主側の因子との相互作用についての、分子、細胞、個体レベルでの解析
  2. 宿主応答に関し、獲得免疫系の研究、病原体センサーなどの自然免疫系の研究及び消化管・気道における粘膜免疫の研究
  3. リバースジェネティックス、miRNA解析法や粘膜ワクチンなどの技術開発
  4. 奄美病害動物研究施設・霊長類動物実験室の利用を必要とする研究




1.公募関係
  A 募集内容
  上記、「先端医療研究開発共同研究領域」「疾患システム共同研究領域」「感染症・免疫共同研究領域」の3つのコア共同研究領域に関連する研究であって、医科研と当該申請研究者が協力することにより新たな進展が期待されるもの。
  B 共同研究に対する医科研からの支援体制
  共同研究において医科研の施設・設備等を利用することが可能です。なお、施設・設備等の利用にあたっては、医科研側の受入教員と協議願います。

2.申請資格者
大学並びに公的研究機関に所属する教員・研究者

3.共同研究期間
採択する研究期間は、平成24年度以内(H24.4.1〜H25.3.31)です。 なお、本事業における共同研究期間は、それぞれの研究内容によって異なりますが、概ね1〜3年間程度を想定しています。複数年度にわたる共同研究を希望する場合は、複数年度にわたる研究計画の全体の評価と当該単年度の研究計画の評価の双方を勘案して審査を行います。ただし、2、3年以降については、継続のための申請書を改めて提出いただき、採否の審査を受けていただくことになります。


4.申請方法
共同研究を希望される方は、医科研側の受入教員と事前に打合せを行ったうえ、次の申請書等(@B)を提出ください。
複数年度にわたる共同研究の継続を希望される場合は、次の申請書等(@AB、Bについては該当する場合にのみ提出。)の提出をお願いいたします。
なお、医科研の各研究分野・所属教員・研究の概要等は、医科研ホームページをご覧ください。
ホームページ  http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/
申請書等の各書式は、医科研のホームページからダウンロードしてご使用下さい。
@平成24年度東京大学医科学研究所共同研究申請書(様式1)PDF形式  MS WORD形式
A東京大学医科学研究所共同研究拠点事業 共同研究報告書(様式2)PDF形式  MS WORD形式
B各種承諾書(※新規申請の場合に提出。継続申請の場合で、事前に全研究期間の承諾得ている場合は、提出は不要。)PDF形式  MS WORD形式
 ・所属機関長の承諾書
 ・申請機関と別機関所属の研究者の承諾書(※研究組織内に申請者と別機関所属の研究者がいる場合にのみ提出。)
 ・医科研受入教員の承諾書

5.申請書提出期限
平成23年11月末日 必着

6.申請書提出先
東京大学医科学研究所 総務課研究助成係
〒108-8639 東京都港区白金台4-6-1
Tel:03-5449-5751    Fax:03-5449-5402
E-mail: ken-jo@ims.u-tokyo.ac.jp

7.採否
新規申請および継続申請の採否は、運営協議会において審査後、概ね3月中旬頃までに、申請者へ通知します。
なお、採択された場合、共同研究の研究者の方々には、「東京大学医科学研究所拠点研究員」として委嘱いたします。

8.研究経費
共同研究に必要な研究経費(医科研において使用する消耗品費及び医科研に来所のための旅費など)は、単年度100万円を上限として医科研で負担します。

9.共同研究報告書の提出
単年度課題 年度終了後に、共同研究報告書(研究完了)を提出して頂きます。
複数年度課題 毎年度終了後(最終年度は除く)に、共同研究報告書(年度)を提出して頂きます。但し、継続申請時に提出された共同研究報告書に変更がない場合は、その旨をご連絡頂ければ、提出は不要です。
最終年度終了時に、計画期間全体の研究成果を共同研究報告書(研究完了)として提出して頂きます。
※全ての報告書は「6.申請書提出先」へ提出して下さい。
※報告書については、医科研が必要とする範囲内(HP掲載、事業報告書への引用等)において利用できるものとします。
※報告書の記載方法、提出期限などについては、後日連絡します。 また、当該研究活動に関するアンケートも実施する予定となっていますので、ご協力をお願いいたします。

10.論文の提出
本共同研究の成果を論文として発表される等の場合には、別刷り1部を「6.申請書提出先」へ提出していただきます。

11.知的財産権の取扱い
原則として、当該発明に係る各研究者及びその機関の貢献度を考慮し、協議して帰属等を決定します。