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血清アルブミンの多面的機能とその解析

学友会セミナー

学友会セミナー

2006年開催 学友会セミナー

開催日時: 平成18年8月17日(木) 16:00~17:00
開催場所: 合同ラボ棟2階 会議室
講  師: 恵良 聖一 教授
所  属: 岐阜大学大学院医学系研究科 分子生理学分野
演  題: 血清アルブミンの多面的機能とその解析
概  要:

血清アルブミンは生体内に数ある蛋白質の中でも最も古くから研究され、かつ多面的な生理機能を有することが知られている。近年のX線結晶構造解析法や高分解能NMR法によって、蛋白質の分子構造と生理機能との相関がかなり詳細なレベルで議論されるようになってきた。アルブミン分子は、そのアミノ酸配列や免疫学的特性などは動物種によって若干異なるが、分子全体の基本構造、すなわちドメイン構造は極めて類似しており、動的に非常にフレキシブルな構造特性を有しているので多面的な生理機能を営むことができる。血清蛋白質でも極めて特異的な機能をもつ免疫グロブリンとは違って、血清アルブミンが生体内で多種多様な生理機能を営んでいるが、臨床的には一般化学検査のなかでA/G比に代表されるように、各種疾患において血中濃度の増減のみが論じられる場合が多い。今後、プロテオミクス解析によるアルブミンの質的変化・動態解析により新たな生理機能や臨床的に有用な情報が得られるものと期待されている。

本セミナーでは、搬送体蛋白質としての機能と翻訳後修飾された血清アルブミン機能特性とに大別して、 X線結晶構造解析法で明らかにされたアルブミン構造を中心に、最新の構造機能相関について述べる。

世 話 人: ○ 大海 忍、中内 啓光