English
Top

炎症とアポトーシスの接点

学友会セミナー

学友会セミナー

2001年開催 学友会セミナー

開催日時: 2001年10月4日(木)17:00 ~ 18:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 クレストホール会議室
講  師: 猪原 直弘 博士
所  属: Assistant Research Scientist
Department of Pathology and Comprehensive Cancer Center,
University of Michigan Medical School
演  題: 炎症とアポトーシスの接点
概  要:

病原を排除する炎症を中心とする生体防御(免疫)と自己の一部を排除するアポトーシスを中心とする計画細胞死は、進化的に同じ起源なのであろうか。両者に関わる因子を比べてみるとNods, RICK, Bcl10, Bimps vs Apaf1, Caspasesなどのように類似ドメイン構造が認められる。免疫系とアポトーシスでは、それぞれ転写調節因子NF-κBとCaspasesの活性化が重要だが、TNF系などのいくつかの免疫系情報伝達因子はNF-κBとCaspasesの両者を活性化する。免疫系とアポトーシスのシグナル受容体による両者の活性化は共通の原理、即ちこれらの受容体複合体による近接によるものらしい。植物の生体防御因子もこうした基本的な原理に関わる構造を持ち、植物から動物まで保存された原理と機構が考えられる。猪原博士も所属するNunezのグループはアポトーシスについて仕事を進めています。最近、Crohn病関連遺伝子として注目されているNod2をクローニングしております。


A frameshift mutation in NOD2 associated with susceptibility to Crohn's disease
Nature 2001 411:603-606
世 話 人: 三宅 健介
高津 聖志