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プロテオーム創薬にin silicoでどこまでせまれるか?

学友会セミナー

学友会セミナー

2004年開催 学友会セミナー

開催日時: 平成 16 年 3 月 15 日(月)13:30~15:00
開催場所: アムジェンホール大会議室
講  師: 古谷利夫
所  属: ファルマデザイン代表取締役
(東京大学分子細胞生物学研究所客員教授)
演  題: プロテオーム創薬にin silicoでどこまでせまれるか?
概  要:

これまでに創薬のターゲット分子となったのは高々500にすぎない。ヒトゲノム配列が明らかになった現在、創薬の標的分子の発見に至る過程が効率化され開発リスクが軽減できると期待され、いわゆるdruggable創薬ターゲットを求めて、熾烈な戦いが始まっている。現状では必ずしも満足な成果は得られていないとの見方が多く、この状況を打開するための大きな武器として、バイオインフォマティクスに対する期待が大きい反面、創薬に繋がるバイオインフォマティクスに対する要望も大きい。例えば、マイクロアレイデータから疾患に関連していることが示唆される遺伝子/タンパク質は多くあるが、創薬ターゲットとしてのバリデーションは容易ではない。また、これまでの創薬は個々のタンパク質分子をターゲットとしていたが、タンパク質分子のネットワークが存在することから、単純にタンパク質と疾患の間の因果関係が存在しない場合も多くあることがわかってきた。タンパク質の配列や立体構造の類似性を網羅的に調べたデータベースの有効利用や SNPデータに対するタンパク質の立体構造を利用した薬剤の応答性などについて展望したい。

マイクロアレイを用いた疾患関連遺伝子の探索、ならびにタンパク質相互作用とシグナルパスウェイの研究や SNPの網羅的な解析から、それらの研究成果の実用化の一つとして創薬に繋げるためにはどうすれば効果的になるかを共に考える場になることを期待しております。

世 話 人: ○中井 謙太(75611)、宮野 悟