『Endogeneous MET inducers from Ureteric Bud system』
学友会セミナー
2003年開催 学友会セミナー
開催日時: | 平成15年9月4日(木) 13:30 ~ 14:30 |
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開催場所: | アムジェンホール 大会議室 |
講 師: | 花井 順一 博士 |
所 属: | Beth Israel Deaconess Medical Center, Renal Division Harvard Medical School |
演 題: | 『Endogeneous MET inducers from Ureteric Bud system』 |
概 要: | 腎臓、肝臓、肺などの臓器における繊維化において、epithelial cellがmesenchymal cellにtransformする病理的な変化、すなわちEpithelial-Mesenchymal Transformation (EMT)が重要な機構として注目されている。 EMTは繊維化のみならず、癌細胞における浸潤能、血管新生にも共通したメカニズムとして認識されつつあり、上皮様細胞の極性が失われる機構として、この病理的変化のメカニズムを理解するとともに、このtransformationをconvertすることが、多くの方面で強く望まれている。 腎臓の発生過程は、epithelial cellのbranching、morphogenesisの誘導、cytodifferentiationといった他の多くの臓器の発生に共通したプロセスを含む。胎児腎臓を組織培養する系で検討すると、 metanephric mesenchymeが取り巻く中をWoffian duct由来のureteric budがbranchingを続ける。 Branchingの先端(epithelial-tip region)では、mesenchymal cellが、epithelial cellにtransformしながら nephronを形成していく。この変化は、まさにMesenchymal-Epithelial Transformation (MET)であり、このシステムから、 MET inducerが次々と同定されてきている。 今回は、これらMET inducer 中で、強力な血管新生阻害作用で知られるEndostatinと、すでに腎臓での抗繊維化作用が知られているBMP7について最近に得られた知見を述べ(J. Cell. Biol. 2002, Nat. Med. 2003)、あわせて、EMTの本体とその意義について、preliminaryなdataを一部紹介しながら論じていきたい。 |
世 話 人: | 野阪 哲哉、○西中村 隆一 |