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Wntシグナルによる新たな分子制御機構の解明と分子標的治療薬の開発

学友会セミナー

学友会セミナー:2020年02月07日

開催日時: 2020年02月07日 10:00 ~ 11:00
開催場所: 1号館2階 2-3会議室
講師: 山口 貴世志
所属: 東京大学医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍学分野
特任講師
演題: Wntシグナルによる新たな分子制御機構の解明と分子標的治療薬の開発
概要:

大腸がんをはじめとする様々ながん細胞では、APCやβ-カテニンなどWntシグナルを構成する分子の異常が認められる。これらの異常は、核内においてTCF/LEFの転写活性化補助因子であるβ-カテニンタンパク質の蓄積を引き起こす。その結果もたらされた、β-カテニン/TCF複合体の活性化が、がん原遺伝子や細胞周期の調節因子、未分化性の維持に働く遺伝子などの発現誘導を介して、腫瘍発生や悪性化に重要な役割を演じている。我々はWntシグナルによって抑制される遺伝子群を網羅的に同定し、Wntシグナルの活性化がもたらす新たな分子調節機構の異常を明らかにした。また、転写抑制される遺伝子の研究から、Wntシグナル活性を高感度かつ特異的に検出できるアッセイ系を開発し、Wntシグナル阻害剤の化合物ライブラリスクリーニングを行った。本セミナーではがん細胞における新しいWntシグナルの役割とWntシグナルを標的とする創薬研究について紹介する。

世話人: 〇北村 俊雄 (細胞療法分野)
 岩間 厚志 (幹細胞分子医学分野)