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次世代シークエンシングデータを用いた迅速な細胞安全性評価

学友会セミナー

学友会セミナー:2020年01月30日

開催日時: 2020年01月30日 16:00~17:00
開催場所: 総合研究棟8階 大セミナー室
講師: 朴 聖俊
所属: 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター
機能解析イン・シリコ分野 特任講師
演題: 次世代シークエンシングデータを用いた迅速な細胞安全性評価

概要:

次世代シークエンサー(NGS)はゲノム情報の網羅的解析に重
要な基盤技術として、様々な生命現象の理解に欠かせない高解
像度・高確度データの産生を支えている。演者は、これまで生
殖細胞、幹細胞、がん細胞などから得られた多種多様なNGSデ
ータの融合解析の研究を行ってきており、細胞の高次生命現象
の統合的な理解を目指している。
本セミナーでは、NGSデータの一風変わった、しかし、臨床的・
学術的意義がきわめて大きい活用方法を紹介する。すなわち、
標的細胞のゲノム解析を目的としたNGSデータから外来性混入
微生物(コンタミ)の検出と、その感染・汚染起因の異常発現
遺伝子を推定する情報学的手法を紹介する。これにより、実験
結果や加工細胞移植等の品質評価が迅速に行える。核酸増幅検
査などの無菌試験、ウイルス否定試験の代替法として利用可能
で、標的細胞のゲノムプロファイリングのついでに行える特徴
があり、統計処理と独自のアルゴリズムで微生物ゲノム由来の
NGSデータを効果的に分類することができる。解析ツールはヒ
トゲノム解析センターのスパコンSHIROKANEに実装されてい
る(https://openlooper.hgc.jp/opencontami/)。ここでは、
歯根膜由来の同種培養MSC移植の例を交えて、本アプローチの
有効性について議論したい。最後に、話題を少し広げて、NGS
を軸としたゲノム情報解析の最新情報を提供しながら今後を展望
したい。

世話人: 〇宮野 悟 (DNA情報解析分野)
 中井 謙太(機能解析イン・シリコ分野)