東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2019年2月4日

開催日時: 2019年2月4日 11:00 ~ 12:00
開催場所: 総合研究棟8階 大セミナー室
講師: 永江 玄太
所属: 東京大学先端科学技術研究センター
ゲノムサイエンス分野・講師
演題: 疾患病態の解明に向けた網羅的エピゲノム解析
概要:

ヒトのからだを構成する数百種類もの細胞は、時空間的なエピゲノム修飾により制御され、生み出されます。この精緻な制御は、DNAメチル化、ヒストン修飾やクロマチンの高次構造といった多層的システムからなり、近年、次世代シークエンサーによりゲノムワイドなプロファイリングが可能になりました。DNAに対する直接修飾であるシトシンメチル化は非常に安定的と長らく考えられてきましたが、CpG密度に応じてパターンが異なるだけでなく、TETタンパク群などによりダイナミックな制御が行われることもわかってきました。
一方で、こうしたエピゲノム制御の破綻はヒトの疾患に深く関与しています。がんにおいては、ゲノム配列やゲノム構造の異常に加えて、多くのエピゲノム修飾異常がみられます。国際癌ゲノム計画(ICGC)の成果にはエピゲノム修飾酵素そのものの異常も多数含まれますが、その標的領域については明らかになっていません。非コード領域に位置するゲノム変異の意義を理解するにも、こうした領域をエピゲノムの観点より理解する必要があると考えられます。
次世代シークエンサーの急速な進歩を背景に、疾患ゲノム解析は発がん過程における細胞集団進化推定や癌組織を構成する多様な細胞同士の相互作用など、より定量的かつより数理科学的なアプローチへと展開しつつあります。本セミナーでは、ゲノム・エピゲノム解析について、肝疾患の解析例を中心に、最新のトピックを交えて議論をしたいと思います。

世話人: 〇宮野 悟 (DNA情報解析分野)
 柴田 龍弘 (ゲノム医科学分野)