東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2019年1月16日

開催日時: 2019年1月16日 13:00 ~ 14:00
開催場所: 2号館2階大講義室
講師: 植木 紘史
所属: 東京大学医科学研究所感染・免疫部門
ウイルス感染分野・特任研究員
演題: インフルエンザウイルス感染肺の生体イメージング
概要:

インフルエンザは、時として致死性の肺組織障害を引き起こす、医学・公衆衛生上の対策が必須な呼吸器感染症である。インフルエンザウイルスの病原性には、宿主応答によって惹起される肺の炎症が関与すると考えられているが、その詳細については明らかでない。そこで、インフルエンザウイルスに感染した肺を生理的な環境で観察することによって、宿主応答メカニズムを解析するための基本となる情報を得ることができると考えた。発表者らは2光子励起顕微鏡を用いた生体イメージングシステムをBSL3施設内に構築し、独自に開発した肺吸引保定器を用いて肺の呼吸運動を制御することで、細胞レベルでの肺の観察を可能とした。本イメージング手法を用いることにより、免疫細胞や血流の動態を、ウイルス感染下における個体内でリアルタイムに観察することが可能となった。さらに、インフルエンザウイルスに感染した肺における病態生理学的な変化を観測し定量化解析することで、ウイルスに感染した肺では血流速度や免疫細胞の運動性が低下することを見出した。また、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染したマウスの肺では肺胞腔への血液の漏出が起こることを明らかとした。本研究で確立した感染肺の生体イメージング法は、インフルエンザのみならず他の呼吸器疾患における宿主応答メカニズムの解明にも役立つものと考えられる。
本セミナーでは、インフルエンザウイルス感染肺の2光子生体イメージング解析の方法論や進捗について画像や動画と併せて紹介すると共に、インフルエンザ研究における生体イメージング解析の意義について考察したい。

世話人: 〇三宅 健介 (感染遺伝学分野)
 河岡 義裕 (ウイルス感染分野)