東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2018年12月26日

開催日時: 2018年12月26日 16:00 ~ 17:00
開催場所: 病院A棟 8階南会議室
講師: 矢野 秀朗
所属: 国立国際医療研究センター病院 消化器外科診療部門長
サウサンプトン大学病院 外科コンサルタント医師
Consultant General and Colorectal Surgeon, University Hospital Southampton
演題: 進行・再発大腸癌に対する新たな治療戦略
概要:

大腸癌は日本における罹患者数1位、死亡者数は肺がんに次いで2位と、消化器癌の中で最も頻度の高い癌腫です。他の腫瘍と異なり、大腸癌では遠隔転移をしていても転移巣切除により治癒が望めるという特徴があり、肝転移や肺転移に対して可能な限り切除が考慮されています。近年、大腸癌腹膜転移に対しても、腹膜切除(CRS)+術中腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の有効性が報告されており、アメリカでは50以上の施設で積極的な治療が実施されています。また局所高度進展直腸癌や局所再発直腸癌に対する骨盤壁合併切除(仙骨合併骨盤内臓全摘などを含む)は、術前の画像(とくにMRI)の綿密な検討、手術時の繊細かつ大胆な意思決定および外科手技、術後の綿密な管理があれば安全に施行可能で、比較的高いQOLを保ちながら高い治癒切除(R0)率と生存率が得られることが分かっています。大腸癌腹膜転移に対する腹膜切除(CRS)+術中腹腔内温熱化学療法(HIPEC)、局所高度進展・再発直腸癌に対する骨盤壁合併切除+術中放射線照射といった集学的治療により、治療成績の改善が見込まれていますが、日本においてはこれらを実施している施設はほとんどありません。本セミナーでは、これまで根治困難と考えられていた進行・再発大腸癌の治療法に関して世界の動向を紹介しつつ、自らの経験や日本の現状をご紹介し、今後の大腸癌外科治療の方向性についても考察したいと思います。

世話人: 〇古川 洋一 (臨床ゲノム腫瘍学分野)
 東條 有伸 (分子療法分野)