東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2018年4月24日

開催日時: 2018年4月24日 16:00 ~ 17:00
開催場所: 1号館西側地下1階 B-1E B-1W会議室
講師: 大島 基彦
所属: 千葉大学大学院医学研究院細胞分子医学 特任助教
演題: 造血システムの加齢に伴うエピゲノム変化と造血器腫瘍発症の分子基盤
概要:

造血幹細胞は、加齢に伴い幹細胞活性の減弱や骨髄球系への分化の偏りなど様々な変化を示すとともに、骨髄異形成症候群 (MDS)などの骨髄球系腫瘍の温床となる。近年、高齢者においてDNMT3A, TET2, ASXL1など多くのエピジェネティック制御遺伝子の変異が報告されており、これらの変異が加齢造血幹細胞のエピゲノム異常を増強し、クローンの増殖優位性を担保することで、造血器腫瘍の発症に至ると考えられている。
 Ezh2 は、H3K27me3修飾による転写抑制を仲介するポリコーム群複合体2 (PRC2) の主要な構成因子である。これまでに我々は、高齢者のMDSにおいて変異の頻度が高いEZH2と、DNAのヒドロキシメチル化及び脱メチル化を仲介するTET2 について、コンパウンドマウス (Tet2KD/KDEzh2fl/fl) の系を確立し、コンパウンドマウスが早期にMDS様の疾患を発症すると共に、PRC2標的遺伝子のCpG IslandにおいてDNAメチル化が亢進することを明らかにした。また最近、我々は若齢及び老齢マウスの造血幹・前駆細胞を用いた解析により、加齢に伴いPRC2の機能が減弱していることを確認した。本セミナーでは、造血幹細胞の機能に関する私のこれまでの研究結果と共に、上記の内容について紹介したい。

世話人: 〇武川睦寛 (分子シグナル制御分野)
 岩間厚志(幹細胞分子医学分野)