東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2017年12月19日

開催日時: 2017年12月19日 17:00  ~  18:00
開催場所: 1号館2階 2-3会議室
講師: 佐竹 典子
所属: カルフォルニア大学デービス校・がん研究センター・小児科・准教授
演題: Beyond chemotherapy: Targeting cancer and cancer stem cells
-アメリカで臨床医として研究をすること-
概要:

 私は、卒後日本で研修と研究をした後、1997 年よりポスドクとしてアメリカへ渡り、臨床研修をやり直し、2007 年より UC Davis で physician scientist として臨床と研究を行っています。いま進めている面白いプロジェクトを紹介します。アメリカで研究することに興味のある方、ぜひ私の講演を聴きに来てください。
白血病幹細胞のミステリー
Cancer stem cell (CSC) あるいは leukemia stem cell (LSC) とはがんの根幹で、これらの細胞が、治療抵抗あるいは再発の原因と考えられています。ところが、acute lymphoblastic leukemia (ALL) でもっとも多い B cell type ALL を含めた多くのがんで、この CSC or LSCの存在、特性がわかっていません。私たちのグループは B cell type ALL LSC を同定する新しい方法を開発しました (patent filed 2015)。Human leukemia xenograft mouse models, RNA-seq, また single cell transcriptome assay を用いて、この LSC がユニークな特徴を持つことを確認しました。LSC の “stemness” に重要な遺伝子を突き止めて、LSC を標的とする治療の開発をしたいと考えています。

小児がんに対する新しい治療の開発
現在のがん治療は効果と副作用という大きな問題があります。したがって、新しい治療 - 選択的ながん治療が必要です。私たちのグループは RNAi technology と tissue-selective monoclonal antibody を用い、先進的な分子標的治療を開発しています。転写因子 MXD3 がB cell type ALL の生存に重要であることを証明し、MXD3 antisense oligonucleotide (ASO)を precursor B cell 白血病細胞へ特異的に運ぶ、aCD22 Ab‒MXD3 ASO conjugate を作ることに成功しました (patent filed 2015)。Ab-ASO conjugate は新しいアプローチで、未だがん治療にもちいられていません。Ab-ASO conjugate による ALL 治験の実現、治療の確立のために、今後はメカニズムの解明、安全性プロファイル、併用療法の3点の研究を展開する予定です。

世話人: 〇大津 真 (幹細胞プロセシング分野)
  高橋 聡 (分子療法分野)