東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2017年7月26日

開催日時: 2017年7月26日  18:00 ~ 19:00
開催場所: 病院棟8階北(大)
講師: 谷口 英樹
所属: 橫浜市立大学 大学院医学研究科 臓器再生医学・教授
橫浜市立大学 先端医科学研究センター 研究開発部門・部門長
演題: iPS細胞を用いたヒューマン・オルガノイド研究の新展開
概要:

肝不全は致死的な病態であり、肝臓移植のみが唯一の救命手段である。しかしながら、世界的にドナー臓器の不足は明らかであり、iPS細胞から治療用ヒト臓器を人為的に創出するための技術開発が極めて重要な解決課題となっている。
 我々は、これまでに器官発生プロセスを模倣することにより、iPS細胞を用いてヒト肝臓原基(肝芽)の創出を可能とする、革新的な三次元培養技術を確立してきた。すなわち、ヒト肝前駆細胞・血管内皮細胞・間葉系細胞の共培養により、三次元構造を有するヒト肝臓原基を人為的に再構成できることを明らかにしている。そして、この三次元培養技術が他の臓器(膵臓・腎臓)や癌組織の再構成にも応用可能であることを示している。
 現在、ヒトiPS細胞由来肝芽の大量調製・品質評価・移植操作技術の開発を推進中であり、臨床試験の早期実施を目指して準備を進めている状況にある。さらに、この3次元培養法を新たなPhenotypic screening系として活用するための技術開発も実施しており、B型肝炎ウイルスの感染系構築、非アルコール性脂肪性肝疾患の病態再現、間質を有する膵癌組織の再構成などについて成果が得られつつある。
 本講演では、ヒトiPS細胞を用いた肝芽創出により扉が開かれたヒューマン・オルガノイド研究の新展開について紹介する。

1. Nature 546:533-538,2017
2. Development 144:1018-1024, 2017
3. Cell Stem Cell 16: 556-565, 2015
4. Journal of Clinical Investigation 124:4325-34, 2014
5. Nature Protocols 9:396-409, 2014
6. Nature 499:481-484,2013

世話人: 〇北村 俊雄 (細胞療法分野)
  武川 睦寛 (分子シグナル制御分野)