東京大学医科学研究所

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学友会セミナー

学友会セミナー:2017年2月9日

開催日時: 2017年2月9日 18:00 ~ 19:00
開催場所: 2号館2階 小講義室
講師: 長門石 曉 
所属: 東京大学大学院工学系研究科・助教
(東京大学創薬機構 兼任)
演題: 物理化学を駆使した次世代創薬の基盤技術開発
概要:

分子標的創薬においては、薬剤が標的分子に対して高い結合親和性と特異性をもって活性を示すことが重要である。しかしながら、たとえば従前の低分子医薬品の探索・設計において、標的分子と低分子薬剤との相互作用様式に関して不明瞭な点も少なくなく、その結果リード探索における構造展開の効率が悪い、低特異性によるoff-target作用が不可避となる、という課題が問題になっている。我々は、低分子薬剤探索における化合物の結合に関するバリデーションやオプテマイゼーションにおいて、その結合様式の“質”を評価するために、“物理化学的解析技術”が有用であるとの立場から研究を展開している。また、同様のアプローチを次世代抗体創薬にも展開させている。抗体医薬品は難病疾患の治療薬として威力を発揮しているが、高い製造コストや体内の標的部位が限定されてしまうなどの課題が残されている。近年、既存の抗体医薬品を改良し、機能や物性を向上させることで価値を高める次世代抗体戦略の期待が高まっている。例えばin silicoシミュレーションの導入は、合理的かつ高速な分子設計を現実的なものとしつつあり、実験的検証とのクロストークによる設計技術高度化への関心が高まっている。
本セミナーでは、まず、物理化学的解析技術を基盤に展開した、蛋白質-蛋白質間相互作用PPIを標的とした低分子阻害剤探索に関する研究成果を紹介する。続いて、in silicoとin vitro物理化学的相互作用解析を組み合わせることで提案が可能になった、抗体の高機能化へ向けた設計指針に関する新たな観点についての研究成果も紹介する。

世話人: ○東條 有伸(先端医療研究センター・分子療法分野)
 田中  廣壽(抗体・ワクチンセンター・アレルギー免疫科)