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Dokファミリー分子による蛋白質チロシンリン酸化シグナルの制御機構

学友会セミナー

学友会セミナー:2008年01月07日

開催日時: 2008年01月07日 16:00~17:00
開催場所: 1号館2階会議室
講師: 山梨裕司
所属: 東京医科歯科大学難治疾患研究所
演題: Dokファミリー分子による蛋白質チロシンリン酸化シグナルの制御機構
概要:

レトロウイルスの癌蛋白質にチロシンキナーゼ活性が発見されて以来、チロシンリン酸化シグナルを介した細胞機能の制御機構とその破綻による発癌等の病態に関する研究が精力的に進められてきた。我々は、多様なチロシンキナーゼの共通基質としてDok-1を発見し、類縁分子であるDok-2と共に造血器腫瘍の発生に抑制的に機能するアダプター分子であることを既に解明している。しかしながら、我々が新たに単離したDok-7は、受容体型チロシンキナーゼを細胞内から活性化すると言う他のアダプター分子には見られない全く新しい機能を有していた。受容体型チロシンキナーゼの制御剤の多くが細胞外領域か細胞内のATP結合領域を標的とする現状を考えると、本研究には、Dok-7機能の解明だけではなく、受容体型チロシンキナーゼの新たな制御点の解明が期待される。
本セミナーにおいては、Dok-7の作用機構と生理機能、さらには病態生理学的な機能を中心に最新の知見を紹介する。

世話人: ○山本雅、井上純一郎