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3次元細胞外マトリックスリモデリングによる細胞分化および代謝の調節

学友会セミナー

学友会セミナー:2007年11月19日

開催日時: 2007年11月19日 17:00~18:00
開催場所: 1号館2階会議室
講師: 全 泰和 博士,Assistant Professor
所属: ミシガン大学内科学、内分泌糖尿代謝学教室
演題: 3次元細胞外マトリックスリモデリングによる細胞分化および代謝の調節
概要:

メタボリックシンドロームをはじめとする代謝性疾患の進行過程において、脂肪細胞および血管内皮細胞は様々にその形および機能を変化させる。Ⅰ型コラーゲンは体内において最も豊富に存在し、細胞外環境を構成する繊維性たんぱく質である。Ⅰ型コラーゲンにより規定される3次元微小環境は細胞の形態および機能調節に深く関わることが知られている。一方で、増殖因子および細胞環境の変化により活性化される細胞外マトリックス分解酵素、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は、ダイナミックにコラーゲン繊維の分解を促し、細胞外微小環境を変化させる。

これまでに細胞膜結合型MMP(MT-MMP)が癌細胞の増殖および浸潤に重要であることが明らかとなっている。さらに近年、MT-MMPが細胞膜近傍のコラーゲン分解を介して血管新生に必須であることが示された。今回、脂肪前駆細胞を用いた検討から、MT-MMPによる細胞膜近傍のコラーゲン分解が3次元における細胞形態のみならず、細胞の分化および代謝を直接調節することが明らかとなり、代謝性疾患におけるその役割が注目されたので報告したい。

世話人: ○井上 純一郎、山本 雅